![]() フェロポーチン抗体およびその使用方法
专利摘要:
鉄ホメオスタシスの障害を治療するための組成物を提供する。さらに具体的には、抗フェロポーチン抗体、かかる抗体を含有する組成物、対応する核酸、ベクターおよび宿主細胞、ならびにかかる抗体を作製する方法を提供する。 公开号:JP2011510629A 申请号:JP2010544443 申请日:2009-01-23 公开日:2011-04-07 发明作者:アーベツドソン,タラ;サス,バーブラ;デイアス,グレゴリー;ロツトマン,ジエームズ 申请人:アムジエン・インコーポレーテツド; IPC主号:C12N15-09
专利说明:
[0001] (関連特許出願に対する相互参照) 本出願は、2008年12月11日に出願された米国仮出願第61/121,729号の優先権、および2008年1月25日に出願された米国仮出願第61/023,693号の優先権を主張する。各優先出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。] [0002] (発明の分野) 本発明は、フェロポーチン抗体およびその使用に関する。] 背景技術 [0003] (背景) 鉄はすべての生命体の成長および発達のために必要となる、必須微量元素である。哺乳動物の鉄含有量は、鉄吸収、鉄循環、および鉄を貯蔵する細胞からの鉄放出を制御することによって、調節される。鉄放出は、血漿に鉄を放出することが可能な主細胞である、腸細胞、マクロファージおよび肝細胞の細胞表面上に位置する主要な鉄輸出タンパク質であるフェロポーチンによって制御される。MTP1またはフェロポーチン−1としても知られているフェロポーチンは、細胞内鉄排出を媒介する複数回貫通型膜タンパク質である(Donovan et al.,Nature,403:776−781,2000、Abboud et al.,J.Biol.Chem.,275:19906−19912,2000)。フェロポーチンは、十二指腸の腸細胞および細網内皮系のマクロファージに高度に発現し、食事からの鉄の輸送および老化赤血球からの循環利用にそれぞれ関与する(Yang et al.,J.Biol.Chem.,277:39786−39791,2002)。フェロポーチンは、鉄調整ホルモンであるヘプシジンによって負に調整される。ヘプシジンは、フェロポーチンに結合し、フェロポーチンの内部移行および分解をもたらすことが示されている(Nemeth et al.,Blood,107:328−333,2006;Nemeth et al.,Science,306:2090−2093,2004;de Domenico et al.,Mol.Biol.Cell.,8:2569−2578,2007)。この機序は、マクロファージ、肝細胞および腸細胞からの鉄の放出を遮断する(Knutson et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,102:1324−1328,2008、Nemeth et al.,Blood,107:328−333,2006、Knutson et al.,Blood,102:4191−4197,2003)。] [0004] フェロポーチンは、トランスジェニックマウスにおいて示されるように、鉄排出に重要である、つまり、フェロポーチンの喪失は、胎児期に致死的である一方で、条件付ノックアウトによるフェロポーチンの不活性化は、腸細胞、マクロファージおよび肝細胞において鉄貯蔵の増加をもたらす(Donovan et al.,Cell.Metab.,1:191−200,2005)。Thomas and Oates,Gut,2004;53;44−49は、ラットフェロポーチンペプチド配列Genbankアクセション番号AAK77858(膜貫通ドメイン3および4の間にあることが予測される)を用いて生成されるポリクローナル抗体が、細胞内の鉄取り込みを減少させたが、鉄放出に影響を及ぼさなかったことを報告した。] 先行技術 [0005] Donovan et al.,Nature,403:776−781,2000 Abboud et al.,J.Biol.Chem.,275:19906−19912,2000 Yang et al.,J.Biol.Chem.,277:39786−39791,2002 Nemeth et al.,Blood,107:328−333,2006 Nemeth et al.,Science, 306:2090−2093,2004 de Domenico et al.,Mol.Biol.Cell.,8:2569−2578,2007 Knutson et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,102:1324−1328,2008 Knutson et al.,Blood,102:4191−4197,2003] [0006] (発明の要旨) 本発明の種々の実施形態は、以下に記載されるように、ヒトフェロポーチンに結合するモノクローナル抗体を含む抗体、かかる抗体を産生する方法、フェロポーチンを検出するためにかかる抗体を使用する方法、かかる抗体を含む医薬製剤、該医薬製剤を調製する方法、ならびに赤血球生成刺激剤および/または鉄キレート剤との併用療法を含む、該医薬製剤により患者を治療する方法を提供する。かかる抗体をコードする核酸、かかる核酸を含むベクターおよび組換え宿主細胞、ならびにかかる抗体を産生する方法も提供する。] [0007] 一態様において、該抗体は、例えば、所望の親和性を有する、フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離されたモノクローナル抗体といった、抗体である。いくつかの実施形態において、フェロポーチンを発現する細胞に対する抗体の親和性の解離定数(kd)は、約10−6M以下、または約10−7M以下、または約10−8M以下、または約10−9M以下である。いくつかの実施形態において、フェロポーチンの細胞外ドメインは、配列番号16のアミノ酸46〜60、116〜126、204〜205、325〜342、394〜449、513〜517、35〜57、116〜124、332〜340、393〜449および515〜518、ならびに少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11または12アミノ酸長さのそのフラグメントからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、抗体は、フェロポーチンの内部移行および/または分解を阻害する。いくつかの実施形態において、抗体は、フェロポーチンのヘプシジン媒介による内部移行または分解を阻害する。一実施形態において、抗体は、約10−6M以下、または約10−7M以下、または約10−8M以下、または約10−9M以下のEC50で、細胞内鉄濃度を低下させる、および/または血中鉄濃度を増加させる。他の実施形態において、抗体は、哺乳動物における、赤血球数(数値)またはヘモグロビンもしくはヘマトクリットレベルを増加させる、ならびに/または網状赤血球数、網状赤血球平均細胞体積および/もしくは網状赤血球ヘモグロビン含有量を正常化する特性を示す。] [0008] 種々の実施形態において、抗体は、配列番号16のアミノ酸393〜449内に位置する少なくとも5つ、10、15もしくはそれ以上のアミノ酸を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号16のアミノ酸439〜449内に位置する少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上のアミノ酸を含むフェロポーチンのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸ANIVPETSPES(配列番号16のアミノ酸439〜449)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。エピトープは、完全に該フラグメント内にあり得るか、または該フラグメントのエピトープは、フラグメント内の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくは6つのアミノ酸およびフラグメント外の1つ以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸NIVPETSPES(配列番号16のアミノ酸440〜449)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸IVPETSPESV(配列番号16のアミノ酸441〜450)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸VPETSPESVP(配列番号16のアミノ酸442〜451)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸PETSPESVPI(配列番号16のアミノ酸443〜452)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸TSPESVPIIS(配列番号16のアミノ酸445〜454)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸ANIVPETSP(配列番号16のアミノ酸439〜447)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸IVPETSPES(配列番号16のアミノ酸441〜449)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸ANIVPETS(配列番号16のアミノ酸439〜446)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸IVPETSPE(配列番号16のアミノ酸441〜448)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸IVPETSP(配列番号16のアミノ酸441〜447)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸PETSPES(配列番号16のアミノ酸443〜449)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸LVELYGNSLL(配列番号16のアミノ酸50〜69)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸FLVELYGNSL(配列番号16のアミノ酸49〜68)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸VELYGNSLLL(配列番号16のアミノ酸51〜70)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸ELYGNSLLLT(配列番号16のアミノ酸52〜71)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸LYGNSLLLTA(配列番号16のアミノ酸53〜72)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸LAFLYMTVLG(配列番号16のアミノ酸314〜323)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸AFLYMTVLGF(配列番号16のアミノ酸315〜324)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸FLYMTVLGFD(配列番号16のアミノ酸316〜325)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸IQGESITPTKIPEIT(配列番号16のアミノ酸413〜427)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸IQGESITPTK(配列番号16のアミノ酸413〜422)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸QGESITPTKI(配列番号16のアミノ酸414〜423)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸GESITPTKIP(配列番号16のアミノ酸415〜424)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸ESITPTKIPE(配列番号16のアミノ酸416〜425)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸SITPTKIPEI(配列番号16のアミノ酸417〜426)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸ITPTKIPEIT(配列番号16のアミノ酸418〜427)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸DGWVSYYNQP(配列番号16のアミノ酸297〜306)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸ITTEIYMSNGSNS(配列番号16のアミノ酸426〜438)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸TEIYMSNGSNSA(配列番号16のアミノ酸428〜439)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸ITTEIYMSNG(配列番号16のアミノ酸426〜435)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸TTEIYMSNGS(配列番号16のアミノ酸427〜436)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸TEIYMSNGSN(配列番号16のアミノ酸428〜437)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸EIYMSNGSNS(配列番号16のアミノ酸429〜438)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸IYMSNGSNSA(配列番号16のアミノ酸430〜439)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸YHGWVLTSCY(配列番号16のアミノ酸124〜133)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸RDGWVSYYNQ(配列番号16のアミノ酸296〜305)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸EIYMSNG(配列番号16のアミノ酸429〜435)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸IYMSNGSN(配列番号16のアミノ酸430〜437)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、アミノ酸ITPTK(配列番号16のアミノ酸418〜422)を含むフェロポーチンのフラグメント、または本フラグメント内の、もしくは本フラグメントのエピトープに結合する。] [0009] 種々の実施形態において、モノクローナル抗体は、抗体31A5、37A2、37B9、37C8、37G8、38A4、38C8、38D2、38E3および38G6のうちのいずれか、またはかかる抗体のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2もしくはCDRL3のうちのいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくは6つを保有する抗体を含み得、任意に、かかる単数もしくは複数のCDRにおいて1つもしくは2つの変異体、またはかかる抗体のうちのいずれかの軽鎖もしくは重鎖可変領域を保有する抗体、またはかかる抗体のうちのいずれかのすべての重鎖CDRおよび/もしくはすべての軽鎖CDRを保有する抗体、または抗体31A5、37A2、37B9、37C8、37G8、38A4、38C8、38D2、38E3および38G6と同一のヒトフェロポーチン上のエピトープに結合する、もしくは少なくとも75%ヒトフェロポーチンに結合するためにかかる抗体と競合する抗体を含む。] [0010] 種々の実施形態はまた、本明細書に記載のモノクローナル抗体のうちのいずれかをコードする核酸、かかる核酸配列を含むベクター、およびかかる核酸またはベクターを含む宿主細胞も提供する。関連した態様において、抗体を産生するために核酸が発現されるように、前述の宿主細胞を培養するステップと、任意に、宿主細胞または培地から抗体を回収するステップを含む、かかるモノクローナル抗体の組換え産生のための方法を提供する。関連した実施形態において、前述の方法によって産生された単離される抗体または薬剤を提供する。かかる抗体は、任意に、追加の治療、細胞傷害性、または診断部分に共役される。] [0011] いくつかの実施形態において、抗フェロポーチン抗体は、(a)哺乳動物に、フェロポーチン(配列番号16)をコードする核酸を投与するステップと、任意に(b)前記哺乳動物に、フェロポーチン(配列番号16)をコードする同一または異なる核酸を投与するステップと、任意に(c)前記哺乳動物に、フェロポーチンを発現する細胞膜を含む組成物を投与するステップと、(d)前記哺乳動物から、抗体を発現する細胞を得るステップと、によって産生される。] [0012] 別の態様において、試料において、ヒトフェロポーチンを検出する方法を提供し、ヒトフェロポーチンに抗体を結合させることが可能な条件下で、前述の抗体のいずれかと、ヒトからの試料を接触させるステップと、結合抗体を検出するステップと、を含む。一実施形態において、フェロポーチンに対する第1の抗体は、捕捉試薬として、固体支持体上で固定化され、フェロポーチンに対する第2の抗体は、検出試薬として使用される。関連した態様において、試料におけるフェロポーチンの量は、結合抗体の量を測定することによって、定量化される。] [0013] 別の態様において、本明細書に記載の抗体のうちのいずれかの治療有効量、および薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。ヘプシジンレベルの上昇、ヘプシジン関連障害、または貧血が挙げられるが、これらに限定されない、鉄ホメオスタシスの障害に罹患するヒトの治療用の薬剤の調製における、かかる抗体の使用法も提供する。第2の治療剤と抗体の投与を含む同時投与方法は、本明細書に記載されるように、第2の治療剤との同時投与用の薬剤の調製における抗体の使用だけでなく、抗体との同時投与用の薬剤の調製における第2の治療剤の使用を包含することを理解されたい。] [0014] 種々の実施形態は、例えば、治療有効量のかかる抗体を投与することによって、鉄ホメオスタシスの障害、ヘプシジン関連障害に罹患する哺乳動物、または貧血に罹患する哺乳動物を治療するための、かかる抗体を使用する方法をさらに含む。例示的な実施形態において、該哺乳動物は、アフリカ型鉄過剰症、αサラセミア、アルツハイマー病、貧血、癌性貧血、慢性疾患に伴う貧血、炎症性貧血、動脈硬化症またはアテローム性動脈硬化症(冠動脈疾患、脳血管疾患、または末梢閉塞性動脈疾患を含む)、失調症、鉄に関連した失調症、無トランスフェリン血症、癌、セルロプラスミン欠損症、化学療法誘導貧血、末期腎不全もしくは慢性腎疾患/腎不全を含む慢性腎疾患/腎臓病(ステージI、II、III、IVまたはV)、肝臓の肝硬変、典型的なヘモクロマトーシス、コラーゲン誘導関節炎(CIA)、ヘプシジン過剰(ヘプシジンの上昇)を伴う状態、先天性赤血球異形成貧血、うっ血性心不全、クローン病、糖尿病、鉄の生体内分布の障害、鉄ホメオスタシスの障害、鉄代謝の障害、フェロポーチン病、フェロポーチン突然変異ヘモクロマトーシス、葉酸欠乏症、フリードライヒ失調症、索性脊髄症、gracile症候群、ヘリコバクター・ピロリ感染もしくは他の細菌感染、ハレルフォルデン・スパッツ病、ヘモクロマトーシス、トランスフェリン受容体2において突然変異から生じるヘモクロマトーシス、異常血色素症、肝炎、肝炎(Brock)、C型肝炎、肝細胞癌、遺伝性ヘモクロマトーシス、HIVもしくは他のウイルス性疾患、ハンチントン病、高フェリチン血症、低色素性小球性貧血、低鉄血症、インスリン抵抗性、鉄欠乏性貧血、鉄欠乏障害、鉄過剰障害、ヘプシジン過剰を伴う鉄欠乏状態、若年性ヘモクロマトーシス(HFE2)、多発性硬化症、トランスフェリン受容体2、HFE、ヘモジュベリン、フェロポーチンもしくは鉄代謝の他の遺伝子の突然変異、新生児ヘモクロマトーシス、鉄に関連した神経変性疾患、骨減少症、骨粗鬆症膵炎、パントテン酸キナーゼ関連神経変性症、パーキンソン病、ペラグラ、異食症、ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症、偽脳炎、肺血鉄症、赤血球障害、関節リウマチ、変形性関節症、敗血症、鉄芽球性貧血、全身性エリテマトーデス、サラセミア、中間型サラセミア、輸血後鉄過剰症、腫瘍、血管炎、ビタミンB6欠乏症、ビタミンB12欠乏症、ウィルソン病ならびに/または鉄過剰に関連した心疾患からなる群から選択される病態に罹患しているヒトである。] [0015] さらに別の態様において、(a)前述の抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤、および(b)赤血球生成刺激剤を治療有効量で投与することによって、鉄ホメオスタシスの障害に罹患する哺乳動物を治療するための方法を提供する。例示的な赤血球生成刺激剤には、エリスロポエチン、エリスロポエチンアゴニスト変異体、およびエリスロポエチン受容体に結合し、かつ活性化するペプチドまたは抗体が含まれる。赤血球生成刺激剤としては、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ、およびこれらの類似体、擬似ペプチド、擬似抗体およびHIF阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない(米国特許公開第2005/0020487号を参照されたく、この開示は、参照によりその全体が組み込まれる)。特に、エリスロポエチンとしては、以下の特許または特許出願に開示される、エリスロポエチン、ならびにエリスロポエチン分子もしくは変異体もしくはこれらの類似体が挙げられるが、これらに限定されず、それらの特許または特許出願は、それぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。米国特許第4,703,008号、第5,441,868号、第5,547,933号、第5,618,698号、第5,621,080号、第5,756,349号、第5,767,078号、第5,773,569号、第5,955,422号、第5,830,851号、第5,856,298号、第5,986,047号、第6,030,086号、第6,310,078号、第6,391,633号、第6,583,272号、第6,586,398号、第6,900,292号、第6,750,369号、第7,030,226号、第7,084,245号、第7,217,689号、PCT公開番号第WO91/05867、WO95/05465、WO99/66054、WO00/24893、WO01/81405、WO00/61637、WO01/36489、WO02/014356、WO02/19963、WO02/20034、WO02/49673、WO02/085940、WO03/029291、WO2003/055526、WO2003/084477、WO2003/094858、WO2004/002417、WO2004/002424、WO2004/009627、WO2004/024761、WO2004/033651、WO2004/035603、WO2004/043382、WO2004/101600、WO2004/101606、WO2004/101611、WO2004/106373、WO2004/018667、WO2005/001025、WO2005/001136、WO2005/021579、WO2005/025606、WO2005/032460、WO2005/051327、WO2005/063808、WO2005/063809、WO2005/070451、WO2005/081687、WO2005/084711、WO2005/103076、WO2005/100403、WO2005/092369、WO2006/50959、WO2006/02646、WO2006/29094号、ならびに米国公開番号第US2002/0155998、US2003/0077753、US2003/0082749、US2003/0143202、US2004/0009902、US2004/0071694、US2004/0091961、US2004/0143857、US2004/0157293、US2004/0175379、US2004/0175824、US2004/0229318、US2004/0248815、US2004/0266690、US2005/0019914、US2005/0026834、US2005/0096461、US2005/0107297、US2005/0107591、US2005/0124045、US2005/0124564、US2005/0137329、US2005/0142642、US2005/0143292、US2005/0153879、US2005/0158822、US2005/0158832、US2005/0170457、US2005/0181359、US2005/0181482、US2005/0192211、US2005/0202538、US2005/0227289、US2005/0244409、US2006/0088906号、および第US2006/0111279号。ある例示的な実施形態において、赤血球生成刺激剤は、ヒトエリスロポエチン(配列番号21)およびダーベポエチンアルファ(配列番号22)からなる群から選択される。かかる方法に従って治療され得る貧血の例示的な形態には、炎症性貧血、癌性貧血、化学療法誘導貧血、鉄欠乏性貧血、鉄ホメオスタシスの障害、フェロポーチン病、または腎臓病によって起こる貧血が含まれる。赤血球生成刺激剤による療法に対して、低応答性、または抵抗性でもある、貧血に罹患する哺乳動物を治療する方法も提供し、それには、治療有効量の抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤を投与するステップを含む。] [0016] 別の関連した態様において、鉄ホメオスタシスの障害、またはヘプシジンレベルの上昇と関連した障害、またはヘプシジン関連障害、または鉄ホメオスタシスの障害、または貧血に罹患する哺乳動物を治療するためのキットも提供する。例示的な一実施形態において、該キットには、(a)抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤、および(b)赤血球生成刺激剤、および任意に、鉄または鉄キレート剤が含まれる。別の例示的な実施形態において、該キットには、抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤、容器に添付されているもしくは容器とともに包装されているラベルが含まれ、該ラベルは、赤血球生成刺激剤とともに、抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤の使用を説明する。さらに別の例示的な実施形態において、該キットには、赤血球生成刺激剤および容器に添付されているもしくは容器とともに包装されているラベルが含まれ、該ラベルは、抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤とともに、赤血球生成刺激剤の使用を説明する。赤血球生成刺激剤を伴う投与用の薬剤を調製する際の抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤の使用、ならびに抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤を伴う投与用の薬剤を調製する際の赤血球生成刺激剤の使用も提供する。これらのキットまたは使用のいずれにおいても、抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤および赤血球生成刺激剤は、別個のバイアル中に入れることができる、または単一の医薬組成物に一緒にして混合することができる。さらに別の実施形態において、抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤、赤血球生成刺激剤、または双方は、単一の医薬組成物に鉄または鉄キレート剤と一緒にして混合することができる、または別個のバイアルに入れることができる。] [0017] 治療を必要とする対象のための治療計画を選択する方法も提供し、それには、(a)血中鉄レベルの減少またはヘプシジンレベルの上昇に対して対象をスクリーニングするステップと、(b)前記対象に、前述の抗体のいずれかを処方するステップと、および任意に、前記対象に、赤血球生成刺激剤ならびに/または鉄および/もしくは鉄キレート剤を処方するステップと、を含む。いくつかの実施形態において、該スクリーニングには、生体試料を得るステップと、前記試料における、鉄レベルを決定するステップと、を含む。] [0018] 種々の実施形態は、鉄ホメオスタシスの障害または鉄過剰の治療のための併用療法を提供する。いくつかの実施形態において、併用療法は、治療を必要とする対象に、抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤および赤血球生成刺激剤を治療有効量で投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、併用療法は、治療を必要とする対象に、抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤および鉄を治療有効量で投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、併用療法は、治療を必要とする、例えば、鉄過剰に罹患している対象に、抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤および鉄キレート剤を治療有効量で投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、併用療法は、治療を必要とする対象に、抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤および抗ヘプシジン抗体を治療有効量で投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、併用療法において、抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤および他の薬剤は、1つの組成物に製剤化される。いくつかの実施形態において、併用療法において、抗フェロポーチン抗体または特異的結合剤および他の薬剤は、別個の組成物に製剤化される。] [0019] 前述の要旨は、本発明のすべての態様を定義することを意図せず、追加の態様は、詳細な説明等の他の項に記載される。全文書は、統合された開示として関連されるべきであることを意図するものであり、特性の組み合わせが、本文書の同一の文、または段落、または項において、一緒に見出されない場合でさえ、本明細書に記載される特性のすべての組み合わせは、企図されることを理解するべきである。] [0020] 前述に加えて、本発明は、追加の態様として、本明細書の特定の段落によって定義される変更例よりも何らかの点で範囲がさらに狭くなる、本発明のあらゆる実施形態を含むことができる。例えば、本発明のある態様は、一属として記載され、一属のすべての員は、単独で、本発明の一態様であり得る。また、一属として記載される、または一属の一員を選択する態様は、属の2つ以上の員の組み合わせを包含することを理解するべきである。] [0021] 本明細書において、種々の実施形態が、種々の状況下で、「含む(comprising)」という言語を用いて示される一方、関連した実施形態はまた、「〜からなる(consisting of)」または「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」という言語を用いても説明され得ることを理解するべきである。「1つの」(「a」または「an」)という用語は、1つ以上のものを指し、例えば、「免疫グロブリン分子」が、1つ以上の免疫グロブリン分子を表すように理解されることに留意されたい。したがって、1つの(「a」(または「an」))、「1つ以上の(one or more)」および「少なくとも1つ(at least one)」という用語は、本明細書で同じ意味で用いられ得る。] [0022] 値の範囲を記載する際、記載される特性は、範囲内に見出される個々の値であり得ることも理解されるべきである。例えば、「約pH4〜約pH6のpH」は、pH4、4.2、4.6、5.1、5.5等に限定されないが、かかる値の間のあらゆる値であり得る。さらに、「約pH4〜約pH6のpH」は、着目製剤のpHは、保存中、pH4〜pH6の範囲中、2pH単位変動することを意味すると解釈されるべきではなく、むしろ、溶液のpHに対するその範囲内で選ばれ得、pHは、およそ、そのpHに緩衝されたままである。いくつかの実施形態において、「約(about)」という用語を使用する際、その列挙された数字のプラスマイナス5%、10%、15%またはそれ以上を意味する。意図された実際の変動は、文脈から決定できる。出願者は、本明細書に記載の本発明の全範囲を考案したが、出願者は、他の先行技術に記載される主題を主張することを意図しない。したがって、特許請求の範囲内の法定の先行技術が、特許庁または他の団体もしくは個人によって、出願者に告知された場合には、出願者は、このような特許請求の範囲の主題を定義し直して、このような特許請求の範囲からこのような法定の先行技術または法定の先行技術の自明な変形を具体的に除外するために、準拠する特許法に基づいて補正を行う権利を留保するものとする。このような補正された特許請求の範囲によって定義される本発明の変形も、本発明の態様として意図される。] 図面の簡単な説明 [0023] フェロポーチン膜貫通および細胞外ドメインの2つの概略図を示す。 フェロポーチン膜貫通および細胞外ドメインの2つの概略図を示す。 抗フェロポーチン抗体31A5が、フェロポーチンペプチド配列(ANIVPETSPES、配列番号16の残基439〜449)を認識することを示す。 抗フェロポーチン抗体31A5が、対外鉄反応アッセイにおいて、フェロポーチン鉄輸出活性を持続することを示す。 抗フェロポーチン抗体31A5が、内部移行および分解からフェロポーチンを保護することを示す。 抗フェロポーチン抗体31A5が、内部移行および分解からフェロポーチ 抗フェロポーチン抗体31A5が、免疫組織化学によって、細胞上のフェロポーチン発現を検出することを示す。 抗フェロポーチン抗体31A5が、免疫組織化学によって、細胞上のフェロポーチン発現を検出することを示す。 抗体37A2(配列番号32〜34)、37B9(配列番号42〜44)、37C8(配列番号52〜54)、37G8(配列番号62〜64)、38A4(配列番号72〜74)、38C8(配列番号82〜84)、38D2(配列番号92〜94)、38E3(配列番号102〜104)および38G6(配列番号112〜114)に対する重鎖CDRを提供する。 抗体37A2(配列番号29〜31)、37B9(配列番号39〜41)、37C8(配列番号49〜51)、37G8(配列番号59〜61)、38A4(配列番号69〜71)、38C8(配列番号79〜81)、38D2(配列番号89〜91)、38E3(配列番号99〜101)および38G6(配列番号109〜111)に対する軽鎖CDRを提供する。 抗体38G6および38E3の重鎖および軽鎖可変領域のcDNAおよびアミノ酸配列を提供する。 抗体38D2および38C8の重鎖および軽鎖可変領域のcDNAおよびアミノ酸配列を提供する。 抗体38A4および37G8の重鎖および軽鎖可変領域のcDNAおよびアミノ酸配列を提供する。 抗体37C8および37B9の重鎖および軽鎖可変領域のcDNAおよびアミノ酸配列を提供する。 抗体37A2の重鎖および軽鎖可変領域のcDNAおよびアミノ酸配列を提供する。 機能的および非機能的抗フェロポーチン抗体が、フェロポーチン上に類似のエピトープを認識することを示す。] [0024] (詳細な説明) フェロポーチン(配列番号16)は、10あるいは12の膜貫通ドメインを有することが予測されるマルチ膜貫通タンパク質である。トポロジー図に基づいて、20%未満の残基が、細胞外であることが予測され、最長細胞外ループは、わずか57残基長さであることが予測される。図1は、フェロポーチン膜貫通および細胞外ドメインの2つの概略図を示す。図1Aにおいて、細胞外ドメインは、配列番号16のアミノ酸46〜60(ループ1)、116〜126(ループ2)、204〜205および325〜342(ループ3)、394〜449(ループ4)ならびに513〜517(ループ5)に対応する。図1Bにおいて、細胞外ドメインは、配列番号16のアミノ酸35〜57(ループ1)、116〜124(ループ2)、332−340(ループ3)、393−449(ループ4)および515−518(ループ5)に対応する。] 図1A 図1B [0025] 本発明の実施形態は、フェロポーチン、または(図1Aまたは1Bに示されるような)フェロポーチンのループ1、2、3および4、またはそのフラグメントに、高い親和性で結合する、モノクローナル抗体を提供する。本発明の他の実施形態は、正常な鉄ホメオスタシスを有する対象、あるいは、ヘプシジンレベルの上昇から起こる障害を含む、鉄ホメオスタシスの障害の危険性があるもしくは罹患している対象において、フェロポーチン活性を持続し、かつ血中鉄レベルを増加させることができる、モノクローナル抗体等の抗体を提供する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される抗体は、フェロポーチン表面発現へのヘプシジンの効果を阻害する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される抗体は、フェロポーチンのヘプシジン媒介分解を含むフェロポーチンの内部移行および分解を防ぎ、それによって、鉄ホメオスタシスを維持する。] 図1A [0026] I.抗フェロポーチン抗体および特異的結合剤 「抗体」という用語は、最も広範な意味で使用され、完全に組み立てられた抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(二重特異性抗体を含む)、抗原(Fab’、F’(ab)2、Fv、単鎖抗体、ダイアボディ(diabodies)を含む)に結合することができる抗体フラグメント、ならびにそれらが所望の生物活性を示す限り、前述のものを含む組換えペプチドを含む。化学的に誘導体化された抗体を含む、無傷分子および/またはフラグメントのマルチマーまたは会合体が、企図される。IgG、IgM、IgD、IgA、およびIgE、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2を含む、任意のアイソタイプクラスもしくはサブクラスの抗体、または任意のアロタイプの抗体が、企図される。異なるアイソタイプは、異なるエフェクター機能を有する、例えば、IgG1およびIgG3アイソタイプは、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を有する。] [0027] いくつかの実施形態において、抗体は、KD(平衡解離定数)によって測定して、l×10−6M以下の範囲、または10−16Mもしくはそれを下回る範囲までに及ぶ(例えば、約10−7、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12、10−13、10−14、10−15、10−16M以下)フェロポーチンに対する結合親和性等の所望の特性を示す。より高いまたはより良好な親和性は、より低いKDによって特徴付けられる。平衡解離定数の推定値は、抗体濃度の範囲にわたって、フェロポーチン発現細胞に結合する抗体を監視することによって決定され得る。親和性を結合する抗体を決定するために、ヒトフェロポーチンを誘導可能に発現するように改変されるHEK293細胞株を、96ウェル黒壁の透明底ポリ−D−リシンコートされたプレート(Becton−Dickinson,Franklin Lakes NJ)の1ウェルあたり50,000細胞で播種し、クエン酸酸化鉄の存在下でフェロポーチンを発現するために、Tet誘導システムにおいて、10μg/mLの最終濃度のドキシサイクリンを用いて、誘発する。導入試薬を除去する際、次いで細胞の培地を冷DMEM10% FBS1×ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミン中における漸増量の抗体で、交換し、4℃で30分間温置する。この後、200μL/ウェルの冷PBSで、細胞を4回軽く洗浄し、飽和濃度(5μg/mL)の抗マウスH+L AlexaFluor 488複合体(Invitrogen Inc,Carlsbad CA)で温置し、暗闇で、4℃で30分間温置する。これが完了すると、次に200μL/ウェルの冷PBSで細胞を4回洗浄し、100μL/ウェルの冷PBS中に放置し、Perkin−Elmer Envision(Perkin−Elmer,Waltham MA)等の蛍光光度計上の相対的蛍光強度を直ちに読み出す。その後、蛍光強度データから、結合曲線が構築され、これらのEC50は、次いで、おおよそのKDを示す。] [0028] 他の実施形態において、抗体は、フェロポーチンに対して特異性を示す。本明細書で使用する、抗体は、異なるファミリーにおける他の非関連たんぱく質と比較する際、ヒトフェロポーチンに対して有意により高い結合親和性を有し、したがって、識別可能である場合、「ヒトフェロポーチンに対して特異的(specific for)」または「ヒトフェロポーチンに特異的に結合する(specifically binds)」。いくつかの実施形態において、かかる抗体はまた、マウス、ラット、または霊長類のフェロポーチン等の他の種のフェロポーチンと交差反応し得る一方、他の実施形態において、該抗体は、ヒトまたは霊長類のフェロポーチンにのみ結合し、齧歯類のフェロポーチンに対しては有意には結合しない。] [0029] さらに他の実施形態において、抗体は、フェロポーチン持続を促進することが可能である。本明細書で使用する、「フェロポーチン持続(Ferroportin preservation)」または「フェロポーチン活性の持続(preservation of ferroportin activity)」とは、フェロポーチンによって調節される鉄排出を増加させるまたは維持する能力を指し、抗体の不在下での、鉄排出のレベルと比較して、フェロポーチン持続を促進する抗体の存在下で、鉄排出のレベルの相対的な増加として検出され得る。例えば、フェロポーチン持続を促進する抗体の存在下で、鉄排出は、増加し得、細胞内鉄レベルは、減少し得る、および/または血中鉄レベルは、増加し得る。いくつかの実施形態において、フェロポーチン持続は、正常細胞および正常な対象において生じ得る。他の実施形態において、フェロポーチン持続は、例えば、ヘプシジンのような、フェロポーチン持続がなければ、フェロポーチンによって調節される鉄排出を変化させ得るであろう分子の存在下で、生じ得る。いくつかの実施形態において、フェロポーチン持続は、100%、または約99%、または約98%、または約97%、または約96%、または約95%、または約94%、または約93%、または約92%、または約91%、または約90%、または約85%、または約80%、または約約75%もしくはそれ以下でフェロポーチンを分解するのに有効なヒトヘプシジンの量の存在下で、生じ得る。いくつかの実施形態において、フェロポーチン持続は、鉄ホメオスタシスの障害に罹患している細胞または対象において生じ得る。いくつかの実施形態において、抗体は、約10−6M以下、または約10−7M以下、または約10−8M以下、または約10−9M以下のEC50で、細胞内鉄濃度を低下させる、および/または血中鉄濃度を増加させる。フェロポーチン活性を持続するおよび/または鉄排出を維持するための抗体の能力は、実施例3に記述しているもの等のアッセイによって検出することができる。種々の実施形態において、ヘプシジンの存在下で、抗体は、約10−6M以下、または約10−7M以下、または約10−8M以下、または約10−9M以下のIC50で、細胞内鉄濃度を低下させる、および/または血中鉄濃度を増加させる。] [0030] いくつかの実施形態において、体外で、および好ましくは生体内でも、ヘプシジン依存の内部移行および/または分解を含むフェロポーチンの内部移行および/または分解を阻害する(または中和させる)抗体を提供する。フェロポーチンの内部移行および/または分解を阻害するための抗体の能力は、実施例6に記述しているもの等のアッセイによって検出することができる。例示的な態様において、モノクローナル抗体は、高い鉄レベル(および/または炎症)に反応して生じるフェロポーチンの分解を阻害する(または中和させる)。いくつかの実施形態において、フェロポーチンへのヘプシジンの結合は、本明細書に開示されるフェロポーチンを持続する抗体によって阻害されない。] [0031] フェロポーチン持続が可能な抗フェロポーチン抗体は、鉄ホメオスタシスの障害に治療的に有用であり、1つ以上のマーカー、例えば、フェリチン/鉄レベル、赤血球数、赤血球特性(ヘモグロビン含有量および/もしくは細胞体積)、早期赤血球特性(網状赤血球数、ヘモグロビン含有量もしくは細胞体積)(Clinical Hematology,third edition,Lippincott,Williams and Wilkins;editor Mary L.Turgeon,1999)、または鉄輸送を通して測定されるように、血清鉄レベルを増加させる、ならびに/または赤血球数もしくは特性を改善することが期待される。] [0032] 特定の例示的な実施形態において、本発明は、以下を企図する。 1)抗体31A5、37A2、37B9、37C8、37G8、38A4、38C8、38D2、38E3および38G6の任意の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2もしくはCDRL3を保有し、任意に、かかる単数または複数のCDRにおける、1つまたは2つの変異体を含む、モノクローナル抗体、 2)抗体31A5、37A2、37B9、37C8、37G8、38A4、38C8、38D2、38E3および38G6のすべてのCDRH1、CDRH2、CDRH3、または重鎖可変領域を保有し、任意に、かかる単数または複数のCDRにおける、1つまたは2つの変異体を含む、モノクローナル抗体、 3)抗体31A5、37A2、37B9、37C8、37G8、38A4、38C8、38D2、38E3および38G6のすべてのCDRH1、CDRH2、CDRH3、または軽鎖可変領域を保有し、任意に、かかる単数または複数のCDRにおける、1つまたは2つの変異体を含む、モノクローナル抗体、 4)例えば、X線結晶学または重水素交換質量分析、アラニンスキャニングおよびペプチドフラグメントELISA等の他の生物物理学的もしくは生化学的技法を通して決定される、抗体31A5、37A2、37B9、37C8、37G8、38A4、38C8、38D2、38E3および38G6と同一のフェロポーチンの線状もしくは立体的エピトープに結合するモノクローナル抗体、 5)フェロポーチン(配列番号16)のアミノ酸残基393〜446からなるペプチドに結合し、いくつかの実施形態において、配列番号16のアミノ酸残基75〜96、152〜183、330〜338または542〜571に結合しない、モノクローナル抗体、 6)フェロポーチン(配列番号16)のアミノ酸残基439〜449からなるペプチドに結合するモノクローナル抗体、ならびに 7)約75%以上、約80%以上、または約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、または95%以上でヒトフェロポーチンに結合するために、抗体31A5、37A2、37B9、37C8、37G8、38A4、38C8、38D2、38E3および38G6のうちのいずれか1つと競合するモノクローナル抗体。] [0033] 一実施形態において、抗体は、配列番号5〜10(31A5CDR)からなる群から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべてのアミノ酸配列を含む。別の実施形態において、抗体は、配列番号29〜34(37A2 CDR)からなる群から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべてのアミノ酸配列を含む。別の実施形態において、抗体は、配列番号39〜44(37B9 CDR)からなる群から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべてのアミノ酸配列を含む。さらに別の実施形態において、抗体は、配列番号49〜54(37C8 CDR)からなる群から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべてのアミノ酸配列を含む。別の実施形態において、抗体は、配列番号59〜64(37G8 CDR)からなる群から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべてのアミノ酸配列を含む。別の実施形態において、抗体は、配列番号69〜74(38A4 CDR)からなる群から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべてのアミノ酸配列を含む。別の実施形態において、抗体は、配列番号79〜84(38C8 CDR)からなる群から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべてのアミノ酸配列を含む。別の実施形態において、抗体は、配列番号89〜94(38D2 CDR)からなる群から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべてのアミノ酸配列を含む。別の実施形態において、抗体は、配列番号99〜104(38E3 CDR)からなる群から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべてのアミノ酸配列を含む。さらに別の実施形態において、抗体は、配列番号109〜114(38G6 CDR)からなる群から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つもしくはすべてのアミノ酸配列を含む。] [0034] いくつかの実施形態において、抗体は、3本の軽鎖CDRすべて、3本の重鎖CDRすべて、または6本のCDRすべてを含む。いくつかの例示的な実施形態において、1つの抗体からの2本の軽鎖CDRは、異なる抗体からの第3の軽鎖CDRと組み合わされ得る。代替として、1つの抗体からのCDRL1は、異なる抗体からのCDRL2およびさらに別の抗体からのCDRL3と組み合わされ得、特に、ここで、CDRは、高度の相同性を示す。同様に、1つの抗体からの2本の重鎖CDRは、異なる抗体からの第3の重鎖CDRと組み合わされ得る、または1つの抗体からのCDRH1は、異なる抗体からのCDRH2およびさらに別の抗体からのCDRH3と組み合わされ得、特に、ここで、CDRは、高度の相同性を示す。図6は、抗体37A2(配列番号32〜34)、37B9(配列番号42〜44)、37C8(配列番号52〜54)、37G8(配列番号62〜64)、38A4(配列番号72〜74)、38C8(配列番号82〜84)、38D2(配列番号92〜94)、38E3(配列番号102〜104)および38G6(配列番号112〜114)に対する重鎖CDRを提供する。図7は、抗体37A2(配列番号29〜31)、37B9(配列番号39〜41)、37C8(配列番号49〜51)、37G8(配列番号59〜61)、38A4(配列番号69〜71)、38C8(配列番号79〜81)、38D2(配列番号89〜91)、38E3(配列番号99〜101)および38G6(配列番号109〜111)に対する軽鎖CDRを提供する。] 図6 図7 [0035] コンセンサスCDRも使用してもよい。一実施形態において、抗体は、配列番号42(GYYMH、抗体37B9、37C8、37G8、38C8および38E3からの重鎖CDR1)、配列番号115(GYXMH、37A2、37B9、37C8、37G8、38C8、および38E3からの重鎖CDR1コンセンサス)、配列番号116(GYYXH、37B9、37C8、37G8、38C8、38D2および38E3からの重鎖CDR1コンセンサス)、配列番号117(WINPHTGGKNYXQXFQG、抗体37B9、37C8、37G8、38C8および38E3からの重鎖CDR2コンセンサス)、配列番号118(DPSXXVXGPSFYYXGLDV、抗体37B9、37C8、37G8、38C8および38E3からの重鎖CDR3コンセンサス)、配列番号119(KISNRXS、抗体37B9、37C8、37G8、38C8および38E3からの軽鎖CDR2コンセンサス)からなる群から選択される、1つ以上のアミノ酸配列を含み、式中、Xは、いずれかのアミノ酸である。] [0036] 種々の実施形態において、抗体は、WINPHTGGKNYX1QX2FQG(配列番号136)を含み、式中、X1およびX2は、いずれかのアミノ酸である、またはX1およびX2は、A、G、K、もしくはR、これらのいずれかの組み合わせ、またはこれらの同類置換である、またはX1は、AもしくはG、またはこれらの同類置換であり、かつX2は、いずれかのアミノ酸である、またはX1は、いずれかのアミノ酸であり、かつX2は、KもしくはR、またはこれらの同類置換である、またはX1は、AもしくはG、またはこれらの同類置換であり、かつX2は、KもしくはRまたはこれらの同類置換である。] [0037] 種々の他の実施形態において、抗体は、アミノ酸配列WINPHTGGKNYX1QX2FQG(配列番号136)(式中、X1およびX2は、A、G、K、R、これらのいずれかの組み合わせ、またはこれらの同類置換である)、およびアミノ酸配列DPSX1X2VX3GPSFYYX4GLDV(配列番号137)(式中、X1、X2、X3およびX4は、A、F、I、L、V、S、T、Y、これらのいずれかの組み合わせ、またはこれらの同類置換である)を含む。] [0038] 種々の実施形態において、抗体は、アミノ酸配列DPSX1X2VX3GPSFYYX4GLDV(配列番号137)を含み、式中、X1、X2、X3およびX4は、いずれかのアミノ酸である;またはX1、X2、X3およびX4は、A、F、I、L、V、S、T、Y、これらのいずれかの組み合わせ、もしくはこれらの同類置換である;またはX1は、IもしくはLまたはこれらの同類置換であり、かつX2、X3およびX4は、いずれかのアミノ酸である;またはX2は、A、V、もしくはS、またはこれらの同類置換であり、かつX1、X3およびX4は、いずれかのアミノ酸である;またはX3は、AもしくはT、またはこれらの同類置換であり、かつX1、X2およびX4は、いずれかのアミノ酸である;またはX4は、YもしくはF、またはこれらの同類置換であり、かつX1、X2およびX3は、いずれかのアミノ酸である;またはX1は、IもしくはL、またはこれらの同類置換であり、X2は、A、VもしくはS、またはこれらの同類置換であり、かつX3およびX4は、いずれかのアミノ酸である;またはX1は、いずれかのアミノ酸であり、X2は、A、VもしくはS、またはこれらの同類置換であり、X3は、AもしくはT、またはこれらの同類置換であり、かつX4は、いずれかのアミノ酸である;またはX1およびX2は、いずれかのアミノ酸であり、X3は、AもしくはT、またはこれらの同類置換であり、かつX4は、YもしくはF、またはこれらの同類置換である;またはX1、X2およびX3は、いずれかのアミノ酸であり、かつX4は、YもしくはF、またはこれらの同類置換である、またはX1は、IもしくはL、またはこれらの同類置換であり、X2は、A、V、もしくはS、またはこれらの同類置換であり、X3は、AもしくはT、またはこれらの同類置換であり、かつX4は、YもしくはF、またはこれらの同類置換である;X2およびX3は、いずれかのアミノ酸であり、X1は、IもしくはL、またはこれらの同類置換であり、かつX4は、YもしくはF、またはこれらの同類置換である;またはX1およびX2は、いずれかのアミノ酸であり、X3は、AもしくはT、またはこれらの同類置換であり、かつX4は、YもしくはF、またはこれらの同類置換である;またはX1およびX3は、いずれかのアミノ酸であり、X2は、A、VもしくはS、またはこれらの同類置換であり、かつX4は、YもしくはF、またはこれらの同類置換である;またはX1およびX4は、いずれかのアミノ酸であり、X2は、A、VもしくはS、またはこれらの同類置換であり、かつX3は、AもしくはT、またはこれらの同類置換である;またはX1、X2、およびX3は、いずれかのアミノ酸であり、かつX4は、YもしくはF、またはこれらの同類置換である;またはX1、X2、およびX4は、いずれかのアミノ酸であり、かつX3は、AもしくはT、またはこれらの同類置換である;またはX1、X3、およびX4は、いずれかのアミノ酸であり、かつX2は、A、VもしくはS、またはこれらの同類置換であり、あるいはX2、X3、およびX4は、いずれかのアミノ酸であり、かつX1は、IもしくはL、またはこれらの同類置換である;またはX1は、IもしくはL、またはこれらの同類置換であり、X2は、いずれかのアミノ酸であり、X3は、AもしくはT、またはこれらの同類置換であり、かつX4は、いずれかのアミノ酸である。] [0039] 本明細書に開示されるコンセンサスCDRのうちのいずれも、いずれの抗体の同一の鎖(例えば、重鎖または軽鎖)からの2つの他のCDRとも組み合わされ、例えば、好適な重鎖または軽鎖可変領域を形成することができる。] [0040] さらに別の実施形態において、抗体は、抗体31A5の重鎖および/または軽鎖可変領域、例えば、配列番号4(31A5重鎖可変領域)、および/または配列番号2(31A5軽鎖可変領域)を含む。別の実施形態において、抗体は、抗体37A2の重鎖および/または軽鎖可変領域、例えば、配列番号28(37A2重鎖可変領域)および/または配列番号26(37A2軽鎖可変領域)を含む。別の実施形態において、抗体は、抗体37B9の重鎖および/または軽鎖可変領域、例えば、配列番号38(37B9重鎖可変領域)および/または配列番号36(37B9軽鎖可変領域)を含む。別の実施形態において、抗体は、抗体37C8の重鎖および/または軽鎖可変領域、例えば、配列番号48(37C8重鎖可変領域)および/または配列番号46(37C8軽鎖可変領域)を含む。別の実施形態において、抗体は、抗体37G8の重鎖および/または軽鎖可変領域、例えば、配列番号58(37G8重鎖可変領域)および/または配列番号56(37G8軽鎖可変領域)を含む。別の実施形態において、抗体は、抗体38A4の重鎖および/または軽鎖可変領域、例えば、配列番号68(38A4重鎖可変領域)および/または配列番号66(38A4軽鎖可変領域)を含む。別の実施形態において、抗体は、抗体38C8の重鎖および/または軽鎖可変領域、例えば、配列番号78(38C8重鎖可変領域)および/または配列番号76(38C8軽鎖可変領域)を含む。さらに別の実施形態において、抗体は、抗体38D2の重鎖および/または軽鎖可変領域、例えば、配列番号88(38D2重鎖可変領域)および/または配列番号86(38D2軽鎖可変領域)を含む。別の実施形態において、抗体は、抗体38E3の重鎖および/または軽鎖可変領域、例えば、配列番号98(38E3重鎖可変領域)および/または配列番号96(38E3軽鎖可変領域)を含む。別の実施形態において、抗体は、抗体38G6の重鎖および/または軽鎖可変領域、例えば、配列番号108(38G6重鎖可変領域)および/または配列番号106(38G6軽鎖可変領域)を含む。] [0041] いくつかの実施形態において、配列番号4(31A5重鎖可変領域)、2(31A5軽鎖可変領域、28(37A2重鎖可変領域)、26(37A2軽鎖可変領域)、38(37B9重鎖可変領域)、36(37B9軽鎖可変領域)、48(37C8重鎖可変領域)、46(37C8軽鎖可変領域)、58(37G8重鎖可変領域)、56(37G8軽鎖可変領域)、68(38A4重鎖可変領域)、66(38A4軽鎖可変領域)、78(38C8重鎖可変領域)、76(38C8軽鎖可変領域)、88(38D2重鎖可変領域)、86(38D2軽鎖可変領域)、98(38E3重鎖可変領域)、96(38E3軽鎖可変領域)、108(38G6重鎖可変領域)および106(38G6軽鎖可変領域)からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも約65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む抗体を提供し、該ポリペプチドは、配列番号5〜10(31A5CDR)、29〜34(37A2)、39〜44(37B9)、49〜54(37C8)、59〜64(37G8)、69〜74(38A4)、79〜84(38C8)、89〜94(38D2)、99〜104(38E3)、および109〜114(38G6)に記述されている少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上のアミノ酸配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域に対して百分率同一性を有するポリペプチドは、1つ、2つまたは3つの軽鎖CDRを含み得る。他の実施形態において、重鎖可変領域に対して百分率同一性を有するポリペプチドは、1つ、2つまたは3つの重鎖CDRを含み得る。前述の実施形態のいずれにおいても、ポリペプチドは、配列番号5〜10(31A5 CDR)、29〜34(37A2)、39〜44(37B9)、49〜54(37C8)、59〜64(37G8)、69〜74(38A4)、79〜84(38C8)、89〜94(38D2)、99〜104(38E3)、および109〜114(38G6)に記述しているアミノ酸配列のいずれかに1つまたは2つの改変を含む配列を含むことができる。] [0042] また、34G3、37A2、37B9、37C8、37G8、38A4、38C8、38D2、38D6、38E3および38G6からなる群から選択される抗体の重鎖および軽鎖可変領域に対して少なくとも約65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む抗体も企図され、該ポリペプチドは、31A5CDR、37A2 CDR、37B9 CDR、37C8 CDR、37G8 CDR、38A4 CDR、38C8 CDR、38D2 CDR、38E3 CDRおよび38G6 CDRからなる群から選択される少なくとも1つ以上のCDRをさらに含む。前述の実施形態のいずれにおいても、ポリペプチドは、31A5 CDR、37A2 CDR、37B9 CDR、37C8 CDR、37G8 CDR、38A4 CDR、38C8 CDR、38D2 CDR、38E3 CDRおよび38G6 CDRからなる群から選択されるCDRに対して1つまたは2つの修飾を含む配列を含む。] [0043] 抗体31A5の全長軽鎖および重鎖に対するcDNAおよびアミノ酸配列も提供する。定常領域を含む、抗体31A5の全長軽鎖をコードするcDNA配列は、配列番号11に記述されている。定常領域を含む、抗体31A5の全長軽鎖をコードするアミノ酸配列は、配列番号12(このうちの残基1〜20は、シグナルペプチドに対応し、残りは、成熟ポリペプチドである)に記述されている。定常領域を含む、抗体31A5の全長重鎖をコードするcDNA配列は、配列番号13に記述されている。定常領域を含む、抗体31A5の全長重鎖のアミノ酸配列は、配列番号14(このうちの残基1〜17は、シグナルペプチドに対応し、残りは、成熟ポリペプチドである)に記述されている。] [0044] 別の実施形態において、抗体は、抗体34G3、37A2、37B9、37C8、37G8、38A4、38C8、38D2、38E3および38G6のいずれかの重鎖可変領域を含み、任意に、ヒトIgG1重鎖定常領域(配列番号120〜121)およびヒトIgG2重鎖定常領域(配列番号122〜123)からなる群から選択される定常領域を含む。別の例示的な実施形態において、抗体は、抗体37B9、37C8、37G8、38A4、38C8、38D2および38E3のいずれかの軽鎖可変領域を含み、任意に、ヒトカッパ軽鎖定常領域(配列番号124〜125)を含む。別の例示的な実施形態において、抗体は、抗体37A2および38G6のいずれかの軽鎖可変領域を含み、任意に、ヒトラムダ軽鎖可変領域C1型(配列番号126〜127)、ヒトラムダ軽鎖可変領域C2型(配列番号128〜129)、ヒトラムダ軽鎖定常領域C3型(配列番号130〜131)、ヒトラムダ軽鎖定常領域C6型(配列番号132〜133)およびヒトラムダ軽鎖定常領域C7型(配列番号134〜135)からなる群から選択される定常領域を含む。] [0045] 本明細書で使用する「モノクローナル抗体」という用語は、その用語が本明細書に定義される、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指す、即ち、集団を成す個々の抗体が、ハイブリドーマから産生されるか組換えDNA技法から産生されるかにかかわらず、少量で存在し得る、自然発生する可能な突然変異体または代替的な翻訳後の改変を除いては同一である。モノクローナル抗体の限定されない例には、マウス、ウサギ、ラット、ニワトリ、キメラ化、ヒト化、もしくはヒト抗体、完全に組み立てられた抗体、多重特異性抗体(二重特異性抗体を含む)、抗原(Fab’、F’(ab)2、Fv、単鎖抗体、ダイアボディを含む)、マキシボディ(maxibody)またはナノボディ(nanobody)に結合することができる抗体フラグメント、ならびにそれらが所望の生物活性を示す限り、前述のものを含む組換えペプチド、またはその変形体もしくは誘導体が含まれる。さらにヒトのようであるヒト化または改変抗体配列は、例えば、Jones et al.,Nature 321:522 525(1986)、Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,81:6851 6855(1984)、Morrison and Oi,Adv.Immunol.,44:65 92(1988)、Verhoeyer et al.,Science 239:1534 1536(1988)、Padlan,Molec.Immun.28:489 498(1991)、Padlan,Molec.Immunol.31(3):169 217(1994)、およびKettleborough,C.A.et al.,Protein Eng.4(7):773 83(1991)、Co,M.S.,et al.(1994),J.Immunol.152,2968−2976)、Studnicka et al.Protein Engineering 7:805−814(1994)に記載され、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ヒトモノクローナル抗体を単離するための一方法は、ファージディスプレイの使用である。ファージディスプレイは、例えば、Dower et al.、WO91/17271、McCafferty et al.、WO92/01047、およびCaton and Koprowski,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6450−6454(1990)に記載され、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ヒトモノクローナル抗体を単離するための別の方法は、内因性免疫グロブリン産生を持たず、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むように改変されたトランスジェニック動物を使用することである。例えば、Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551(1993)、Jakobovits et al.,Nature,362:255−258(1993)、Bruggermann et al.,Year in Immuno.,7:33(1993)、WO91/10741、WO96/34096、WO98/24893、または米国特許出願公開第20030194404号、第20030031667号、または第20020199213号を参照されたく、それぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。] [0046] 「単離された」抗体とは、その自然環境の成分から同定されている、および分離されている、抗体(この用語は本名最初で定義されるとおりである)を指す。その自然環境の汚染成分とは、抗体の診断または治療への使用を妨害する物質であり、酵素、ホルモン、および他のタンパク質様または非タンパク質様溶質が含まれ得る。ある実施形態において、抗体は、(1)抗体の95重量%を超える、最も好ましくは99重量%以上まで、(2)N末端あるいは内部アミノ酸配列の少なくとも15の残基を得るのに充分な程度まで、(3)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた還元あるいは非還元条件下で、SDS−PAGEによる均一性が得られるまで、精製され得る。抗体の自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、単離された自然発生抗体には、組換え細胞内の原位置抗体が含まれる。しかしながら、通常、単離された抗体は、少なくとも1つの精製工程によって調製される。] [0047] 「免疫グロブリン」または「自然抗体」は、四量体糖タンパク質である。自然発生免疫グロブリンにおいて、各四量体は、同一の2組のポリペプチド鎖からなり、各組は、1つの「軽」鎖(約25kDa)および1つの「重」鎖(約50〜70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分には、抗原認識に主に関与する約100〜110またはそれ以上のアミノ酸の「可変」(「V」)領域が含まれる。各鎖のカルボキシ末端部分は、定常領域を定義し、重鎖の定常領域は、エフェクター機能に主に関与する。免疫グロブリンは、それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に依存して異なるクラスに割り当てられ得る。重鎖は、ミュー(μ)、デルタ(δ)、ガンマ(γ)、アルファ(α)、およびエプシロン(ε)として分類され、抗体のアイソタイプは、それぞれ、IgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEとして定義される。これらのうちのいくつかは、サブクラスまたはアイソタイプ、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2にさらに分けられ得る。異なるアイソタイプは、異なるエフェクター機能を有する、例えば、IgG1およびIgG3アイソタイプは、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を有する。ヒト軽鎖は、カッパ(κ)およびラムダ(λ)軽鎖として分類される。軽鎖および重鎖内で、可変および定常領域は、約10またはそれ以上のアミノ酸の「D」領域も含む重鎖とともに、約12またはそれ以上のアミノ酸の「J」領域によって接合される。概論については、Fundamental Immunology,Ch.7(Paul,W.,ed.,2nd ed.Raven Press,N.Y.(1989))を参照のこと。] [0048] アロタイプは、抗体配列における、しばしば、定常領域における、免疫原性であり得、ヒトにおける特異的対立遺伝子によりコードされる変異である。アロタイプは、ヒトIGHC遺伝子の5つである、IGHG1、IGHG2、IGHG3、IGHA2およびIGHE遺伝子について同定されており、それぞれ、G1m、G2m、G3m、A2m、およびEmアロタイプと命名される。少なくとも18のGmアロタイプ:nG1m(1)、nG1m(2)、G1m(1、2、3、17)またはG1m(a、x、f、z)、G2m(23)またはG2m(n)、G3m(5、6、10、11、13、14、15、16、21、24、26、27、28)またはG3m(b1、c3、b5、b0、b3、b4、s、t、g1、c5、u、v、g5)が知られている。2つのA2mアロタイプA2m(1)およびA2m(2)がある。] [0049] 抗体の構造および生成の詳細に関しては、Roth,D.B.,and Craig,N.L.,Cell,94:411−414(1998)を参照されたく、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。簡潔に述べると、重鎖および軽鎖の免疫グロブリン配列をコードするDNAを生成するためのプロセスは、主に、成長するB細胞内で起こる。種々の免疫グロブリン遺伝子セグメントを再編成および接合する前に、V、D、Jおよび定常(C)遺伝子セグメントは、概して、単一の染色体上で相対的に近接近において見出される。B細胞の分化中、V、D、J(または、軽鎖遺伝子の場合、VおよびJのみ)遺伝子セグメントのそれぞれの適切なファミリーメンバーのうちの1つは、重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子の機能的に再編成された可変領域を形成するように再結合される。この遺伝子セグメント再編成プロセスは、順次的であると考えられる。第1に、重鎖D〜J接合が作られ、次いで、重鎖VからDJへの接合と軽鎖VからJへの接合が成される。V、DおよびJセグメントの再編成に加えて、軽鎖内のVおよびJセグメントが接合され、かつ重鎖のDおよびJセグメントが接合される位置で、可変組換え(variable recombination)のために、免疫グロブリン重鎖および軽鎖の一次レパートリーにおいて生成される。軽鎖内のかかる変化は、一般的に、V遺伝子セグメントの最終コドンおよびJセグメントの第1のコドン内で起こる。接合における同様の不正確性は、DセグメントとJHセグメントとの間の重鎖染色体で起こり、10ヌクレオチドほどの大きさにわたって伸張し得る。さらに、ゲノムDNAによってコードされない、いくつかのヌクレオチドは、DとJHとの間およびVHとD遺伝子セグメントの間に挿入され得る。これらのヌクレオチドの付加は、N領域多様性として知られる。かかる接合中、起こり得る、可変領域遺伝子セグメントおよび可変組換えにおけるこのような再編成の最終的な結果は、一次抗体のレパートリーの産生である。] [0050] 「超可変」領域という用語は、相補性決定領域またはCDR(即ち、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)によって記載されるように、軽鎖可変ドメイン中の残基24〜34(L1)、50〜56(L2)および89〜97(L3)および重鎖可変ドメイン中の31〜35(H1)、50〜65(H2)および95〜102(H3))からのアミノ酸残基を指す。単一のCDRでさえ、すべてのCDRを含有する全抗原結合部位よりも低い親和性であるが、抗原を認識し、結合し得る。] [0051] 超可変「ループ」からの残基の代替的な定義は、軽鎖可変ドメイン中の残基26〜32(L1)、50〜52(L2)および91〜96(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の26〜32(H1)、53〜55(H2)および96〜101(H3)として、Chothia et al.,J.Mol.Biol,196:901−917(1987)によって記載される。] [0052] 「フレームワーク」またはFR残基は、超可変領域残基以外のこれらの可変領域残基である。] [0053] 「抗体フラグメント」は、無傷免疫グロブリンの一部分、好ましくは、無傷抗体の抗原結合または可変領域を含み、抗体フラグメントから形成される多重特異性(二重特異性、三重特異性等)抗体を含む。免疫グロブリンのフラグメントは、組換えDNA技法によって、または無傷抗体の酵素もしくは化学分解によって、産生され得る。] [0054] 抗体フラグメントの限定されない例には、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv(可変領域)、ドメイン抗体(dAb、VHドメインを含有する)(Ward et al.,Nature 341:544−546,1989)、相補性決定領域(CDR)フラグメント、単鎖抗体(scFv、単一ポリペプチド鎖上のVHおよびVLドメインを含有する)(Bird et al.,Science 242:423−426,1988、およびHuston et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883,1988、任意に、ポリペプチドリンカーを含む、および任意に、多特異性、Gruber et al.,J.Immunol.152:5368(1994))、単鎖抗体フラグメント、ダイアボディ(別の鎖の相補的VLおよびVHドメインと組み合わせる単一ポリペプチド鎖上のVHおよびVLドメイン)(EP404,097、WO93/11161、およびHollinger et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993))、トリアボディ(triabodies)、テトラボディ(tetrabodies)、ミニボディ(minibodies)(ペプチドリンカー(ヒンジなし)を介してもしくはIgGヒンジを介してCH3に融合されるscFv)(Olafsen,et al.,Protein Eng Des Sel.2004 Apr;17(4):315−23)、線状抗体(タンデムFdセグメント(VH−CH1−VH −CH1)(Zapata et al.,Protein Eng.,8(10):1057−1062(1995))、キレート組換え抗体(crAb、同一の抗原上の2つの隣接エピトープに結合し得る)(Neri et al.,J Mol Biol.246:367−73,1995)、バイボディ(bibodies)(二重特異性Fab−scFv)またはトリボディ(tribodies)(三重特異性Fab−(scFv)(2))(Schoonjans et al.,J Immunol.165:7050−57,2000、Willems et al., J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci.786:161−76,2003)、細胞内抗体(Biocca,et al.,EMBO J. 9:101−108, 1990、Colby et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.101:17616−21,2004)(細胞内に抗体を保持するまたは誘導する細胞シグナル配列も含み得る(Mhashilkar et al,EMBO J 14:1542−51,1995;Wheeler et al.,FASEB J.17:1733−5,2003))、トランスボディ(transbodies)(scFvに融合するタンパク質形質導入ドメイン(PTD)を含有する細胞透過性抗体)(Heng et al.,Med Hypotheses.64:1105−8,2005)、ナノボディ(約15kDaの重鎖可変ドメイン)(Cortez−Retamozo et al.,Cancer Research 64:2853−57,2004)、小モジュール免疫薬剤(SMIP)(WO03/041600、米国特許公開第20030133939号および米国特許公開第20030118592号)、抗原結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質、ラクダ化(camelized)抗体(ここで、VHは、ヒンジ、CH1、CH2およびCH3ドメインを含有する定常領域と再結合する)(Desmyter et al., J. Biol. Chem. 276:26285−90,2001、Ewert et al.,Biochemistry 41:3628−36,2002、米国特許公開第20050136049号および第20050037421号)、VHH含有抗体、重鎖抗体(HCAbs、構造H2L2を有する2つの重鎖のホモ二量体)、またはこれらの変異体もしくは誘導体、ならびに抗体が、所望の生物学的活性を保持する限り、CDR配列等のポリペプチドに結合する特異性抗原を与えるのに十分な免疫グロブリンの少なくとも一部分を含有するポリペプチドが含まれる。] [0055] 抗体に関連して使用される、「変異体(variant)」という用語は、変異体が、所望の結合親和性または生物学的活性を保持するという条件で、可変領域および可変領域に相当する部分内の少なくとも1つのアミノ酸置換、欠失、もしくは挿入を含有する抗体のポリペプチド配列を指す。加えて、本明細書に記載の抗体は、半減期もしくはクリアランス、ADCCおよび/もしくはCDC活性を含む、抗体のエフェクター機能を修飾するために、定常領域内にアミノ酸修飾を有し得る。かかる修飾は、例えば、癌を治療する際に、薬物動態を強化するか、または抗体の有効性を強化することができる。Shieldset al.,J.Biol.Chem.,276(9):6591−6604(2001)を参照されたく、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。IgG1の場合、定常領域、特に、ヒンジまたはCH2領域に対する修飾により、ADCCおよび/またはCDC活性を含む、エフェクター機能を増加または低下させ得る。他の実施形態において、IgG2定常領域を修飾して、抗体−抗原凝集体形成を減少させる。IgG4の場合、定常領域、特に、ヒンジ領域に対する修飾により、半抗体の形成を減少させ得る。] [0056] 本明細書に記載の抗体またはポリペプチドに関連して使用される、「修飾(modification)」という用語は、1つ以上のアミノ酸変化(置換、挿入または欠失を含む)、フェロポーチン結合活性を妨害しない化学修飾、治療用または診療用剤に活用することによる共有結合修飾、標識化(例えば、放射性核種または種々の酵素での)、ペグ化等の共有ポリマー結合(ポリエチレングリコールによる誘導体化)、および非天然アミノ酸の化学合成による挿入または置換を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、本発明の修飾ポリペプチド(抗体を含む)は、本発明の非修飾分子の結合特性を保持するであろう。] [0057] 本発明抗体またはポリペプチドに関連して使用される、「誘導体(derivative)」という用語は、治療用または診療用剤に活用することによる共有結合修飾、標識化(例えば、放射性核種または種々の酵素での)、ペグ化等の共有ポリマー結合(ポリエチレングリコールによる誘導体化)、および非天然アミノ酸の化学合成による挿入または置換により共有結合的に修飾される抗体またはポリペプチドを指す。いくつかの実施形態において、本発明の誘導体は、本発明の非修飾分子の結合特性を保持するであろう。] [0058] 二重特異性または他の多重特異性抗体を作製するための方法は、当該技術分野において既知であり、これらには、化学的架橋、ロイシンジッパーの使用(Kostelny et al.,J.Immunol.148:1547−1553,1992)、ダイアボディ技術(Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−48,1993)、scFv二量体(Gruber et al.,J.Immunol.152:5368,1994)、線状抗体(Zapata et al.,Protein Eng.8:1057−62,1995)、およびキレート組換え抗体(Neri et al.,J Mol Biol.246:367−73,1995)が含まれる。] [0059] したがって、抗体の重鎖可変領域または軽鎖可変領域の1つ、2つ、および/または3つのCDRを含む、種々の組成物は、当該技術分野において既知の技法によって生成され得る。] [0060] A.抗体の組換え産生 本明細書に記載のモノクローナル抗体をコードし、任意に、核酸を含む、宿主細胞、ベクターおよび宿主細胞によって認識される配列を制御するように作用可能に連結される、単離された核酸、ならびに抗体の産生のための組換え技法も提供し、これには、核酸を発現するように宿主細胞を培養することと、任意に、宿主細胞培養または培地から抗体を回収することを含み得る。] [0061] 対象の免疫グロブリンからの適切なアミノ酸配列は、直接タンパク質配列によって決定され得、好適なコード化ヌクレオチド配列は、汎用コドン表に従って設計することができる。代替として、モノクローナル抗体をコードするゲノムまたはcDNAは、従来の手順を用いて(例えば、モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合可能なオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)、かかる抗体を産生する細胞から単離され、配列決定され得る。] [0062] クローニングは、標準技法を用いて実行される(例えば、Sambrook et al.(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Guide,3rd Ed.,Cold Spring Harbor Pressを参照されたく、これは、参照することにより本明細書に組み込まれる)。例えば、cDNAライブラリーは、polyA+mRNA、好ましくは、膜結合mRNA、およびヒト免疫グロブリンポリペプチド遺伝子配列に特異的なプローブを用いてスクリーニングされたライブラリーの逆転写によって構成され得る。しかしながら、一実施形態において、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、対象の免疫グロブリン遺伝子セグメント(例えば、軽鎖または重鎖可変セグメント)をコードするcDNA(または全長cDNAの一部)を増幅する。増幅された配列は、任意の好適なベクター、例えば、発現ベクター、ミニ遺伝子ベクター、またはファージディスプレイベクターに容易にクローン化することができる。対象の免疫グロブリンポリペプチドのある部分の配列を決定することが可能である限り、使用される特定の方法が重要でないことが理解されよう。] [0063] 抗体核酸のための1つの供給源は、対象の抗原の免疫を持つ動物からB細胞を得て、このB細胞を不死化細胞に融合することにより生成されるハイブリドーマである。代替として、核酸は、免疫動物のB細胞(または全膵臓)から単離することができる。抗体をコードする核酸のさらに別の供給源は、例えば、ファージディスプレイを通して、生成されるかかる核酸のライブラリーである。対象のペプチド、例えば、所望の結合特性を有する可変領域ペプチドをコードするポリヌクレオチドは、パニング等の標準技法により同定することができる。] [0064] 免疫グロブリンポリペプチドの全可変領域をコードする配列が、決定され得るが、時には、可変領域の一部のみ、例えば、CDRコード部分を配列決定することで十分である。配列決定は、標準技法を用いて実行される(例えば、Sambrook et al.(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Guide, 3rd Ed., Cold Spring Harbor Press、およびSanger,F.et al.(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463−5467を参照されたく、これは、参照することにより本明細書に組み込まれる)。ヒト免疫グロブリン遺伝子およびcDNAの公開された配列とクローン化した核酸の配列を比較することによって、当業者は、配列決定された領域に応じて、(i)ハイブリドーマ免疫グロブリンポリペプチド(重鎖のアイソタイプを含む)の生殖系セグメント使用法および(ii)N領域付加および体細胞変異のプロセスから生じる配列を含む、重鎖および軽鎖の可変領域の配列を容易に決定することができるであろう。免疫グロブリン遺伝子配列情報の1つの供給源は、National Center for Biotechnology Information、National Library of Medicine、National Institutes of Health、Bethesda、Mdである。] [0065] 本明細書で使用する、「単離された」核酸分子または「単離された」核酸配列は、(1)核酸の自然源に通常関連する少なくとも1つの汚染された核酸分子から同定および分離されるか、あるいは(2)対象の核酸の配列を決定することができるように、クローン化、増幅、標識化、または他の方法で、バックグラウンド核酸と区別されるかのいずれかである、核酸分子である。単離された核酸分子は、自然に見出される形態または設定以外のものである。しかしながら、単離された核酸分子には、例えば、核酸分子が、自然細胞のものとは異なる染色体位置にある、抗体を通常発現する細胞内に含有する核酸分子が含まれる。] [0066] 単離されると、DNAは、発現制御配列に作用可能に連結され得るか、または発現ベクターに設置され得、その後、それは、そうでなければ、免疫グロブリンタンパク質を産生しないであろう宿主細胞内に形質転換され、組換え宿主細胞内のモノクローナル抗体の合成を誘導する。抗体の組換え産生は、当該技術分野において公知である。] [0067] 発現制御配列とは、特定の宿主生物における作用可能に連結されたコード配列の発現に必要なDNA配列を指す。原核生物に好適である制御配列は、例えば、プロモータ、任意に、オペレータ配列、およびリボソーム結合部位を含む。真核細胞は、プロモータ、ポリアデニル化シグナルおよびエンハンサーを利用することが知られている。] [0068] 核酸は、別の核酸配列と機能的な関係に置かれるとき、作用可能に連結される。例えば、プレ配列または分泌リーダーについてのDNAが、それがポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現される場合には、そのポリペプチドについてのDNAに作用可能に連結されており、プロモータまたはエンハンサーがコード配列の転写に影響を及ぼす場合には、その配列に作用可能に連結されており、またはリボソーム結合部位が、それが翻訳を助長するように配置されている場合には、コード配列に作用可能に連結されている。一般に、作用可能に連結されるとは、結合されるDNA配列が隣接しており、分泌リーダーの場合には隣接していると共に読み込み相(reading phase)にあることを意味する。しかしながら、エンハンサーは、隣接している必要がない。連結は、従来の制限酵素認識部位でのライゲーションによって達成される。そうした部位が存在しない場合には、従来の施行に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーを使用する。] [0069] 多くのベクターが、当該技術分野において知られている。ベクター成分は、以下のうちの1つ以上を含み得る。シグナル配列(例えば、抗体の分泌を誘導し得る)、複製起点、1つ以上の選択的マーカー遺伝子(例えば、抗生物質または他の薬物耐性を付与する、補体栄養要求性欠損、または培地からは利用できない重要な栄養素を供給する)、エンヘンサー要素、プロモータ、および転写終結配列。これらのすべては、当該技術分野において公知である。] [0070] 細胞、細胞株、および細胞培養物は、しばしば、交換可能に使用され、本明細書のすべてのかかる意味は、後代を含む。形質転換体および形質転換細胞には、転写の数に関係なくそれらに由来する一次対象細胞および培養物が含まれる。また、故意または偶発的な突然変異により、すべての後代においてDNAの内容が正確に同一であるというわけではないことも理解されよう。当初の形質転換細胞でスクリーニングされたような、同じ機能または生物学的活性を有する変異体後代が含まれる。] [0071] 例示的な宿主細胞には、原核生物、酵母菌、または高等真核細胞(即ち、多細胞生物)が含まれる。原核生物の宿主細胞には、グラム陰性またはグラム陽性生物等の真正細菌、例えば、エシェリキア属(例えば、大腸菌)、エンテロバクター属、エルビニア菌属、クレブシエラ属、プロテウス属、サルモネラ菌(ネズミチフス菌)、セラチア族(例えば、セラチア・マルセッセンス)、およびシゲラ族、ならびにバチルススプティーリス(B.subtilis)およびバチルスリケニホルミス(B.licheniformis)等のバチルス、シュードモナス菌、ならびにストレプトミセスのような腸内細菌科が挙げられる。糸状菌または酵母菌等の真核生物は、組換えポリペプチドまたは抗体の好適なクローニングまたは発現宿主である。サッカロマイセス・セレヴィシエ、すなわち一般のパン酵母が、下等真核宿主微生物の中で最も一般的に使用される。しかしながら、ピチア属(例えば、ピチアパストリス(P.pastoris))、シゾサッカロミセス・ポンベ;クルイベロマイセス(Kluyveromyces)、ヤロウイア属;カンジダ属;トリコデルマリ−ゼイトリコデルマ・リ−ゼイ(Trichoderma reesei);ニューロスポラクラッサ(Neurospora crassa);シュワニオマイセス・オクシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis)等のシュワニオマイセス(Schwanniomyces);および、糸状真菌(例えば、ニューロスポラ、ペニシリウム、トリポタラジウム(Tolypocladium))、ならびにアスペルギルス宿主(アスペルギルス・ニダランス(A.nidulans)およびアスペルギルス・ニガー(A.niger))のような、多くの他の属、種、および型が、一般的に入手可能であり、本明細書に有用である。] [0072] グリコシル化ポリペプチドまたは抗体の発現のための宿主細胞は、多細胞生物に由来し得る。無脊椎動物細胞の例には、植物および昆虫細胞が含まれる。スポドプレラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(毛虫)、ネッタイシマカAedes aegypti(蚊)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)(蚊)、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)(ミバエ)、およびカイコ(Bombyx mori)のような宿主からの多数のバクテリアウイルス株および変異体および対応する許容昆虫宿主細胞を特定されている。例えば、オートグラファ・カリホルニカ(Autographa californica)NPVのL−1変異体およびカイコ(Bombyx mori)NPVのBm−5変異体のかかる細胞のトランスフェクションに関する種々のウイルス株が、公的に入手可能である。] [0073] 脊椎動物宿主細胞もまた、好適な宿主であり、かかる細胞からのポリペプチドまたは抗体の組換え産生は、常法となっている。有用な哺乳動物宿主細胞系の例は、CHOK1細胞(ATCCCCL61)、DXB−11、DG−44を含むチャイニーズハムスター卵巣細胞、およびチャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO,Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980));SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1系(COS−7,ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓系(293または懸濁培養での増殖用にサブクローンした293細胞、[Graham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977)];ベビーハムスター腎臓細胞(BHK,ATCC CCL 10);マウスセルトーリ細胞(TM4,Mather,Biol.Reprod.23:243−251(1980));サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76,ATCC CRL−1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA,ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK,ATCC CCL 34);バッファローラット肝臓細胞(BRL3A,ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒトヘパトーマ細胞(Hep G2,HB 8065);マウス乳腺腫瘍(MMT060562,ATCC CCL51);TRI細胞(Mather et al.,Annals N.Y Acad.Sci.383:44−68(1982));MRC 5細胞もしくはFS4細胞;または哺乳動物骨髄腫細胞である。] [0074] 宿主細胞を、抗体産生のために上記の核酸もしくはベクターを形質転換または形質移入し、プロモータを導入するか、形質転換細胞を選択するか、または所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために必要に応じて修飾された従来の培養液で培養する。加えて、選択マーカーによって分離された転写単位の複数の転写を有する新規ベクターおよび形質移入された細胞株は、抗体の発現に特に有用である。] [0075] 本明細書に記載の抗体を産生するために使用される宿主細胞は、種々の培地中で培養され得る。Ham’s F10(Sigma)、最小必須培地((MEM)、(Sigma)、RPMI−1640(Sigma)、およびダルベッコ改変イーグル培地((DMEM)、Sigma)等の商業的に入手可能な培地が、宿主細胞を培養するのに好適である。加えて、Ham et al.,Meth.Enz.58:44(1979),Barnes et al.,Anal.Biochem.102:255(1980)、米国特許第4,767,704号、第4,657,866号、第4,927,762号、第4,560,655号、もしくは第5,122,469号、WO90103430、WO87/00195、または米国再発行特許第30,985号に記載される培地のいずれも、宿主細胞の培地として使用され得る。これら培地のいずれをも、ホルモン類および/または他の成長因子(インスリン、トランスフェリン、または上皮増殖因子等)、塩類(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、およびリン酸塩等)、緩衝液(HEPES等)、ヌクレオシド類(アデノシンおよびチミジン等)、抗生物質(ゲンタマイシン(Gentamycin)(商標)薬物等)、微量元素(ミクロモル範囲の最終濃度で通常存在する有機化合物として定義された)、およびグルコースまたは等価なエネルギー源で必要に応じて補ってもよい。他の必要ないずれの補助物もまた、当業者が知っているであろう適当な濃度で含ませ得る。温度、pH等の培養条件は、発現のために選択される宿主細胞に関して以前に用いたものであり、当業者には明らかであろう。] [0076] 宿主細胞を培養すると、抗体が、ペリプラズムスペースにおいて、細胞内に産生されるか、培地に直接分泌され得る。抗体が細胞内に産生される場合、第1のステップとして、粒状破砕物、即ち、宿主細胞あるいは溶解フラグメントのいずれかを、例えば、遠心分離または超音波処理により除去する。] [0077] 親和性リガンドとして対象の抗原もしくはタンパク質Aもしくはタンパク質を用いて、例えば、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィ、カチオンもしくはアニオン交換クロマトグラフィ、または好ましくは親和性クロマトグラフィを用いて、抗体を精製することができる。タンパク質Aを用いて、ヒトγ1、γ2、もしくはγ4重鎖に基づく抗体を精製することができる(Lindmark et al.,J.Immunol.Meth.62:1−13(1983))。タンパク質Gは、すべてのマウスアイソタイプ用およびヒトγ3用に推奨される(Guss et al.,EMBO J.5:15671575(1986))。親和性リガンドが付着するマトリクスは、最も頻繁にはアガロースであるが、他のマトリクスも利用可能である。調整穴あきガラスまたはポリ(スチレンジビニル)ベンゼンのように機械的に安定なマトリクスは、アガロースを用いて達成し得るよりも速い流速と短い処理時間が可能になる。抗体がCH3ドメインを含む場合は、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J.T.Baker,Phillipsburg,N.J.)が精製に有用である。エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカによるクロマトグラフィ、クロマト分画、SDS−PAGE、および硫酸アンモニウム沈殿のような他の技法も、回収しようとする抗体によっては利用できる。] [0078] B.キメラ化およびヒト化抗体 キメラ化またはヒト化抗体は、親齧歯類モノクローナル抗体よりもヒトにおいて免疫原性が少ないため、それらは、過敏症の危険性がはるかに少ないヒトの治療のために使用することができる。したがって、これらの抗体は、ヒトへの生体内投与に関与する治療への適用に企図される。] [0079] 例えば、単独あるいは複合体として、ヒトにおいて生体内投与を反復されるマウス抗体は、受容者において免疫応答、いわゆる、HAMA(ヒト抗マウス抗体)応答を生じる。HAMA応答は、反復投与が必要とされる場合、医薬品の有効性を制限し得る。抗体の免疫原性は、ポリエチレングリコール等の親水性ポリマーを用いた抗体の化学修飾によって、または抗体結合構造をよりヒト様にするための遺伝子工学の方法を用いることによって、低下させ得る。] [0080] 本明細書で使用する「キメラ化抗体」という句は、一般的には、異なる種が起源である、2つの異なる抗体に由来する配列を含有する抗体を指す。最も一般的には、キメラ化抗体は、ヒト定常Igドメインに融合される齧歯類モノクローナル抗体の可変Igドメインを含む。かかる抗体は、当該技術分野において既知の標準手順を用いて生成することができる(Morrison,S.L.,et al.(1984)Chimeric Human Antibody Molecules、Mouse Antigen Binding Domains with Human Constant Region Domains,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81,6841−6855、およびBoulianne,G.L.,et al,Nature 312,643−646(1984)を参照のこと)。一部のキメラ化モノクローナル抗体は、ヒトにおいてより低い免疫原性を示すことが立証されているが、歯類可変Igドメインは、依然として、大幅なヒト抗−齧歯類反応を導き得る。] [0081] 「ヒト化抗体」という句は、非ヒト抗体、一般的には、齧歯類モノクローナル抗体に由来する抗体を指す。代替として、ヒト化抗体は、キメラ化抗体に由来し得る。] [0082] ヒト化抗体は、例えば、(1)非ヒト相補性決定領域(CDR)をヒトフレームワーク及び定常領域に移植すること(当該技術分野で「ヒト化する」と称される工程)、または代替的に、(2)非ヒト可変ドメイン全体を移植するが、表面残基の置換によってそれらをヒト様表面で「偽装」すること(当該技術分野で「ベニアリング」と称される工程)を含む、種々の方法によって達成され得る。これらの方法は、例えば、Jones et al.,Nature 321:522 525(1986)、Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,81:6851 6855(1984)、Morrison and Oi,Adv.Immunol.,44:65−92(1988)、Verhoeyer et al.,Science 239:1534−1536(1988)、Padlan,Molec.Immun.28:489−498(1991)、Padlan,Molec.Immunol.31(3):169 217(1994)、およびKettleborough,C.A.et al.,Protein Eng.4(7):773−83(1991)に開示され、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。] [0083] CDR移植は、ヒト可変Igドメインの適切なフレームワーク領域にマウス重鎖および軽鎖可変Igドメインから6つのCDRのうちの1つ以上を導入するステップを含む。この技法(Riechmann,L.,et al.,Nature 332,323(1988))は、抗原との一次的接触であるCDRループを支えるための足場として、保存されたフレームワーク領域(FR1〜FR4)を利用する。CDR移植の重大な難点は、しかしながら、フレームワーク領域のアミノ酸が抗原結合に寄与し得ること、およびCDRループのアミノ酸が2つの可変Igドメインの結合に影響を及ぼし得るということが理由で、元のマウス抗体よりも実質的に低い結合親和性を有するヒト化抗体を生じ得ることである。ヒト化モノクローナル抗体の親和性を維持するために、CDR移植技法は、元のマウス抗体のフレームワーク領域に最も密接に類似するヒトフレームワーク領域を選択することによって、および抗原結合部位のコンピュータモデリングの支援による、フレームワークまたはCDR内の単一アミノ酸部位指定突然変異誘発によって、改善できる(例えば、Co,M.S.,et al.(1994),J.Immunol.152,2968−2976)。] [0084] 抗体をヒト化する1つの方法は、ヒト重鎖および軽鎖配列に対して非ヒト重鎖および軽鎖配列を整列させ、このようなアラインメントに基づいて非ヒトフレームワークを選択し、ヒトフレームワークで置き換え、ヒト化配列の立体配座を予測するために分子モデリングし、親抗体の立体配座と比較することを含む。この工程に続いて、ヒト化配列の予測された立体配座が、親非ヒト抗体の非ヒトCDRの立体配座に密接に近づくまで、CDRの構造を乱すCDR領域内の残基の復帰変異を反復する。かかるヒト化抗体は、アシュウェル受容体(Ashwell receptor)を介して取り込みおよびクリアランスを助長するようにさらに誘導体化され得る(例えば、米国特許第 5,530,101号および第5,585,089号を参照のこと)。] [0085] 合理的設計によるマウスモノクローナル抗体の多くのヒト化が、報告されている(例えば、2002年7月11日に公開された第20020091240号、WO92/11018および米国特許第5,693,762号、米国特許第5,766,866号を参照のこと)。] [0086] C.ヒト改変(Human Engineered(商標))抗体 「ヒト改変(Human Engineered(商標))抗体」という句は、非ヒト抗体、一般的に、齧歯類モノクローナル抗体またはあるいは、キメラ化抗体に由来する抗体を指す。抗体可変ドメインのヒト改変(Human Engineered(商標))は、抗体分子の結合活性を維持しながら、免疫原性を低下させる方法として、Studnickaによって記載されている(例えば、Studnicka et al.米国特許第5,766,886号、Studnicka et al.Protein Engineering 7:805−814,1994を参照のこと)。該方法によると、各可変領域アミノ酸は、置換の危険度が割り当てられる。アミノ酸置換は、3つの危険度カテゴリーの1つによって識別される:(1)低危険度変化は、免疫原性を低下させる最大の潜在的可能性を有し、抗原結合を妨げる可能性が最も低いものである、(2)中危険度変化は、免疫原性をさらに低下させるが、抗原結合またはタンパク質の折り畳みに影響を及ぼす可能性がより大きいものである、(3)高危険度残基は、抗体構造に結合するまたは抗体構造を維持するために重要であり、抗原結合またはタンパク質の折り畳みが影響を受ける危険度が最も高いものである。プロリンの三次元構造上の役割のゆえに、プロリンにおける修飾は、その位置が一般的には低危険度位置である場合でも、一般に少なくとも中危険度変化とみなされる。] [0087] 齧歯類抗体の軽鎖および重鎖の可変領域は、抗原結合またはタンパク質の折り畳みに有害な作用を及ぼす可能性が低いが、ヒト環境において免疫原性を低下させる可能性が高いと決定された位置で、ヒトアミノ酸を置換するために以下のようにヒト改変(Human Engineered(商標))され得る。個別のVHもしくはVL配列、またはヒトコンセンサスVHもしくはVL配列、または個別の、もしくはコンセンサスヒト生殖細胞系配列を含む、いかなるヒト可変領域も使用できるが、一般に、齧歯類配列に対して最も高い同一性もしくは相同を有するヒト配列を使用して、多数の置換を最小化する。どのような数の低危険度位置、またはすべての低危険度位置のアミノ酸残基も変化させることができる。例えば、整列したネズミとヒトアミノ酸残基が異なる各々の低危険度位置で、齧歯類残基をヒト残基で置換するアミノ酸修飾を導入する。加えて、どのような数の、またはすべての中危険度位置のアミノ酸残基も変化させることができる。例示的な実施形態において、すべての低および中危険度位置は、齧歯類配列からヒト配列に変化する。] [0088] 修飾重鎖および/または軽鎖可変領域を含む合成遺伝子を構築し、ヒトγ重鎖および/またはκ軽鎖定常領域に連結する。任意のクラスまたはサブクラスの任意のヒト重鎖および軽鎖は、ヒト改変(Human Engineered(商標))抗体可変領域と組み合わせて使用し得る。] [0089] D.ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むように改変されたトランスジェニック動物からの抗体 フェロポーチンに対する抗体はまた、内因性免疫グロブリンを産生せず、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むように改変されたトランスジェニック動物を用いて、産生することもできる。例えば、WO98/24893は、ヒトIg遺伝子座を有するトランスジェニック動物を開示しており、該動物は、内因性重鎖および軽鎖遺伝子座の不活性のために機能性内因性免疫グロブリンを産生しない。WO91/741もまた、免疫原に対する免疫応答を開始させることができるトランスジェニック非霊長類哺乳動物宿主を開示しており、該抗体は、霊長類定常および/または可変領域を有し、内因性免疫グロブリンをコードする遺伝子座は置換または不活性化されている。WO96/30498は、修飾抗体分子を形成するために定常または可変領域の全部または一部を置換することのような、哺乳動物における免疫グロブリン遺伝子座を修飾するためのCre/Lox系の使用を開示する。WO94/02602は、不活性化内因性Ig遺伝子座および機能的ヒトIg遺伝子を有する非ヒト哺乳動物宿主を開示する。米国特許第5,939,598号は、マウスが内因性重鎖を欠き、1つ以上の異種定常領域を含む外来性免疫グロブリン遺伝子座を発現するトランスジェニックマウスを作製する方法を開示する。] [0090] 上述したトランスジェニック動物を用いて、選択抗原分子に対する免疫応答を産生することができ、抗体産生細胞を動物から取り出して、ヒト由来モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを産生するために使用することができる。免疫プロトコール、アジュバント等は当該技術分野において知られており、例えば、WO96/33735に記載されるように、トランスジェニックマウスの免疫において使用される。モノクローナル抗体、対応するタンパク質の生物学的活性または生理的作用を阻害するまたは中和する能力に関して試験することができる。] [0091] Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551(1993)、Jakobovits et al.,Nature,362:255−258(1993)、Bruggermann et al.,Year in Immuno.,7:33(1993)、および米国特許第5,591,669号、米国特許第5,589,369号、米国特許第5,545,807号、ならびに米国特許出願第20020199213号も参照のこと。米国特許出願第20030092125号は、所望のエピトープに対する動物の免疫応答にバイアスをかけるための方法を記載している。ヒト抗体はまた、体外活性化B細胞によって生成され得る(米国特許第5,567,610号および第5,229,275号を参照のこと)。] [0092] E.ファージディスプレイによって産生される抗体 組換えヒト抗体遺伝子のレパートリーを作製するための技術の開発、および糸状バクテリオファージの表面上でのコードされる抗体フラグメントの提示は、ヒト由来抗体を生成するための別の手段を提供している。ファージディスプレイは、例えば、Dower et al.、WO91/17271、McCafferty et al.、WO92/01047、およびCaton and Koprowski,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6450−6454(1990)に記載され、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ファージ技術によって産生される抗体は、通常、細菌において抗原結合フラグメント、例えば、FvまたはFabフラグメントとして産生され、したがって、エフェクター機能を欠く。エフェクター機能は、2つの戦略のいずれかによって導入することができる。すなわち、フラグメントを、哺乳動物細胞における発現のために完全抗体に改変するか、またはエフェクター機能誘発することが可能な第2の結合部位を備えた二重特異性抗体フラグメントに改変することができる。] [0093] 一般的には、抗体のFdフラグメント(VH−CH1)および軽鎖(VL−CL)を、PCRによって別々にクローニングし、コンビナトリアルファージディスプレイライブラリーにおいて無作為に組換えて、次にそれらを特定抗原への結合に関して選択することができる。抗体フラグメントは、ファージ表面上で発現され、抗原結合によるFvまたはFab(したがって、抗体フラグメントをコードするDNAを含むファージ)の選択は、パニングと称される工程である、数回の抗原結合と再増幅によって達成される。抗原に特異的な抗体フラグメントを富化し、最終的に単離する。] [0094] ファージディスプレイはまた、「ガイド選択(guided selection)」と呼ばれる齧歯類モノクローナル抗体のヒト化のためのアプローチにも使用することができる(Jespers,L.S.,et al.,Bio/Technology 12,899−903(1994)を参照のこと)。このために、マウスモノクローナル抗体のFdフラグメントを、ヒト軽鎖ライブラリーと組み合わせて提示することができ、次いで、得られたハイブリッドFabライブラリーを、抗原で選択してもよい。マウスFdフラグメントは、それによって、選択を導く(ガイドする)ための鋳型を提供する。その後、選択したヒト軽鎖を、ヒトFdフラグメントライブラリーと組み合わせる。得られたライブラリーの選択は、完全なヒトFabを産出する。] [0095] ファージディスプレイライブラリーからヒト抗体を誘導するための種々の手順が記述されている(例えば、Hoogenboom et al.,J.Mol.Biol.,227:381(1991)、Marks et al.,J.Mol.Biol,222:581−597(1991)、米国特許第5,565,332号および第5,573,905号、Clackson,T.,and Wells,J.A.,TIBTECH 12,173−184(1994)を参照のこと)。特に、ファージディスプレイライブラリーに由来する抗体の体外選択と進化は、強力なツールとなっている(Burton,D.R., and Barbas III,C.F.,Adv.Immunol.57,191−280(1994)、およびWinter,G.,et al.,Annu.Rev.Immunol.12,433−455(1994)、米国特許出願第20020004215号およびWO92/01047、2003年10月9日に公開された米国特許出願第20030190317号、ならびに米国特許第6,054,287号、米国特許第5,877,29号を参照のこと)。] [0096] Watkins,“Screening of Phage−Expressed Antibody Libraries by Capture Lift,” Methodsin Molecular Biology,Antibody Phage Display:Methods and Protocols 178:187−193、および2003年3月6日に公開された米国特許出願公開第20030044772号は、固体支持体への候補結合分子の固定化を含む方法である捕捉リフト(capture lift)によって、ファージ発現された抗体ライブラリーまたは他の結合分子をスクリーニングするための方法を記載する。] [0097] F.抗体フラグメント 上記のように、抗体フラグメントは、無傷全長抗体の一部分、好ましくは、無傷抗体の抗原結合もしくは可変領域を含み、抗体フラグメントから形成される線状抗体および多重特異性抗体を含む。抗体フラグメントの限定されない例には、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、Fd、ドメイン抗体(dAb)、相補的決定領域(CDR)フラグメント、単鎖抗体(scFv)、単鎖抗体フラグメント、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、線状抗体、キメラ化組換え抗体、トリボディもしくはバイボディ、細胞内抗体、ナノボディ、小モジュール免疫薬剤(SMIP)、抗原結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、VHH含有抗体、またはこれらの変異タンパク質もしくは誘導体、ならびに抗体が、所望の生物学的活性を保持する限り、CDR配列等のポリペプチドに結合する特異性抗原を与えるのに十分な免疫グロブリンの少なくとも一部分を含有するポリペプチドが含まれる。かかる抗原フラグメントは、全抗体の修正によって産生され得るか、または組換えDNA技法またはペプチド合成を用いて新たに合成され得る。] [0098] 「ダイアボディ」という用語は、2つの抗原結合部位を持つ小さい抗体フラグメントを指し、そのフラグメントは、同一のポリペプチド鎖(VH VL)内で軽鎖可変ドメイン(VL)に接続する重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同一の鎖上で2つのドメイン間の対を形成させるには非常に短すぎるリンカーを用いることによって、ドメインは、別の鎖の相補的ドメインと強制的に対形成させ、2つの抗原結合部位を創製する。ダイアボディは、例えば、EP404,097、WO93/11161、およびHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993)に更に詳細に記載されている。] [0099] 「単鎖Fv」または「scFv」抗体フラグメントは、抗体のVHおよびVLドメインを含み、ここで、これらのドメインは、単一ポリペプチド鎖に存在し、および任意に、Fvが、抗原結合に対して所望の構造を形成することが可能な、VHおよびVLドメインの間のポリペプチドリンカーを含む(Bird et al.,Science,242:423−426,1988、およびHuston et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:5879−5883,1988)。Fdフラグメントは、VHおよびCH1ドメインからなる。] [0100] 追加の抗体フラグメントには、VHドメインからなるドメイン抗体(dAb)フラグメント(Ward et al.,Nature,341:544−546,1989)を含む。] [0101] 「線状抗体」は、一対の抗原結合領域を形成する一対のタンデムFdセグメント(VH−CH1−VH−CH1)を含む。線状抗体は、二重特異性または単一特異性であり得る(Zapata et al.Protein Eng.8:1057−62(1995))。] [0102] ペプチドリンカー(ヒンジなし)を介してまたはIgGヒンジを介してCH3に融合されるscFvからなる「ミニボディ」は、Olafsen,et al.,Protein Eng Des Sel.2004 Apr;17(4):315−23に記載されている。] [0103] 「マキシボディ(maxibody)」という用語は、免疫グロブリンのFc領域に共有結合している二価のscFvを指し、例えば、Fredericks et al,Protein Engineering,Design & Selection,17:95−106(2004)およびPowers et al.,Journal of Immunological Methods,251:123−135(2001)を参照のこと。] [0104] 軽鎖を欠いている機能的重鎖抗体は、ある種の動物(テンジクザメ、アラフラオオセ(wobbegong shark)、ならびにラクダ科(ラクダ、ヒトコブラクダ、アルパカおよびラマ等))において、自然発生する。抗原結合部位は、これらの動物において、単一ドメインである、VHHドメインのみとなる。これらの抗体は、重鎖可変領域のみを用いて、抗原結合部位を形成する、即ち、これらの機能的抗体は、構造H2L2のみを有する重鎖のホモ二量体である(「重鎖抗体」または「HCAbs」と称する)。ラクダ化VHHは、報告によれば、ヒンジ、CH2、およびCH3ドメインを含み、CH1ドメインを欠くIgG2およびIgG3定常領域と再結合する。古典的なVHのみのフラグメントは、可溶性形態で産生することが難しいが、フレームワーク残基をよりVHH様に変化させると、溶解度の改善と特異的結合が得られ得る(例えば、Reichman,et al.,J.Immunol.Methods,1999,231:25−38を参照のこと)。ラクダ化VHHドメインは、高親和性で抗原に結合し(Desmyter et al.,J.Biol.Chem.276:26285−90,2001)、溶液中で高い安定性を有する(Ewert et al.,Biochemistry 41:3628−36,2002)ことが見出されている。ラクダ化重鎖を有する抗体を作製するための方法は、例えば、米国特許公開第20050136049号および第20050037421号に記載されている。代替的な足場は、サメV−NAR足場にさらに厳密に適合するヒト可変様ドメインから作製され得、長い貫通ループ構造のためにフレームワークを提供し得る。] [0105] 重鎖抗体の可変ドメインは、15kDaのみの分子量を有する最小の完全に機能する抗原結合フラグメントであるため、この実体は、ナノボディと称される(Cortez−Retamozo et al.,Cancer Research,64:2853−57,2004)。ナノボディライブラリーは、Conrath et al.,(Antimicrob Agents Chemother45:2807−12,2001)に記載されているように免疫ヒトコブラクダから作製し得る(Antimicrob Agents Chemother,45:2807−12,2001)。] [0106] 細胞内抗体は、細胞内発現を示し、細胞内タンパク質機能を操作することができる単鎖抗体である(Biocca,et al.,EMBO J.,9:101−108,1990、Colby et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.,101:17616−21,2004)。細胞領域内に抗体構築物を保持する細胞シグナル配列を含む、細胞内抗体は、Mhashilkar et al.(EMBO J 14:1542−51,1995)およびWheeler et al.(FASEB J.17:1733−5.2003)に記載されているように産生され得る。トランスボディは、タンパク質導入ドメイン(PTD)が単鎖可変フラグメント(scFv)と融合している細胞透過性抗体である(Heng et al.,Med Hypotheses.,64:1105−8,2005)。] [0107] さらに、SMIPまたは標的タンパク質に特異的な結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質である抗体が企図される。これらの構築物は、抗体のエフェクター機能を実行するために必要な免疫グロブリンドメインに融合した抗原結合ドメインを含む単鎖ポリペプチドである。例えば、WO03/041600、米国特許公開第20030133939号および米国特許公開第20030118592号を参照のこと。] [0108] G.多価抗体 いくつかの実施形態において、多価またはさらに多重特異性(例えば、二重特異性、三重特異性等)モノクローナル抗体を生成することが望ましいとされ得る。かかる抗体は、標的抗原の少なくとも2つの異なるエピトープに対して結合特異性を有し得る、または代替として、2つの異なる分子、例えば、標的抗原および細胞表面タンパク質もしくは受容体に結合し得る。例えば、二重特異性抗体は、細胞防御機構を標的発現細胞に集中させるために、標的に結合する腕と、T細胞受容体分子(例えば、CD2またはCD3)等の白血球上の引き金分子、またはFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)およびFcγRIII(CD16)等のIgG(FcγR)についてのFc受容体に結合する別の腕を含み得る。別の例として、二重特異性抗体は、細胞傷害性薬を、標的抗原を発現する細胞に局在化させるために使用し得る。これらの抗体は、標的結合腕と、細胞傷害性薬(例えば、サポリン、抗インターフェロン60、ビンカアルカロイド、リシンA鎖、メトトレキサートまたは放射性同位体ハプテン)に結合する腕を有する。多重特異性抗体は、完全長抗体または抗体フラグメントとして調製され得る。] [0109] さらに、本明細書に開示される抗フェロポーチン抗体はまた、多価形態に折り畳むように構築され得、それらは、結合親和性、特異性および/または血液中の半減期の増加を改善し得る。抗フェロポーチン抗体の多価形態は、当該技術分野において既知の技法によって調製することができる。] [0110] 二重特異性または多重特異性抗体には、架橋された抗体または「ヘテロ複合」抗体が含まれる。例えば、ヘテロ複合体中の抗体の1つをアビジンに結合し、他方をビオチンに結合することができる。ヘテロ複合体は、何らかの好都合な架橋法を用いて作製し得る。好適な架橋剤は、当該技術分野において公知であり、米国特許第4,676,980号の中で数多くの架橋手法と共に開示されている。別の方法は、scFvのC末端でストレプトアビジンをコードする配列を加えることによって、四量体を作製するように設計される。ストレプトアビジンは、4つのサブユニットからなり、scFvストレプトアビジンが折り畳まれた際、4つのサブユニットは、四量体を形成するように会合する(Kipriyanov et al.,Hum Antibodies Hybridomas 6(3):93−101(1995)、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。] [0111] 二重特異性抗体を作製するための別のアプローチに従うと、1組の抗体分子の間の界面を、改変して、組換え細胞培養物から回収されるヘテロ二量体のパーセンテージを最大化することができる。1つの界面は、抗体定常ドメインのCH3ドメインの少なくとも一部を含む。この方法では、第1の抗体分子の界面からの1つ以上の小さなアミノ酸側鎖をより大きな側鎖(例えば、チロシンまたはトリプトファン)で置換する。第2の抗体分子の界面では、大きなアミノ酸側鎖をより小さなアミノ酸側鎖(例えば、アラニンまたはトレオニン)で置換することにより、大きな側鎖と同一または類似の大きさの補償的な「腔」が創製される。これは、ホモ二量体等の他の望ましくない最終産物を上回って、テロ二量体の収率を上昇させるための機構を提供する。1996年9月6日に公開されたWO96/27011を参照のこと。] [0112] 抗体フラグメントからの二重特異性または多重特異性抗体を生成するための技法も、文献に記載されている。例えば、二重特異性または多重特異性抗体は、化学結合を用いて調製することができる。Brennan et al.,Science 229:81(1985)は、F(ab’)2フラグメントを生成するために無傷抗体をタンパク質分解によって切断する手順を記載している。これらのフラグメントを、近接ジチオールを安定化し、分子間ジスルフィド形成を防ぐためにジチオール錯化剤、亜ヒ酸ナトリウムの存在下で還元する。生成されたFab’フラグメントを、次いで、チオニトロベンゾエート(TNB)誘導体に変換する。次いで、Fab’−TNB誘導体の1つを、メルカプトエチルアミンで還元してFab’チオールに再変換し、等モル量の他のFab’−TNB誘導体と混合して二重特異性抗体を形成する。産生された二重特異性抗体は、酵素の選択的固定化のための試薬として使用することができる。Better et al.,Science 240:1041−1043(1988)は、細菌からの機能的抗体フラグメントの分泌を開示する(例えば、Better et al.,Skerra et al.Science 240:1038−1041(1988)を参照のこと)。例えば、Fab’−SHフラグメントを、大腸菌から直接回収することができ、それを化学的に結合して、二重特異性抗体を形成することができる(Carter et al.,Bio/Technology 10:163−167(1992)、Shalaby et al.,J.Exp.Med.175:217−225(1992))。] [0113] Shalaby et al.,J.Exp.Med.175:217−225(1992)は、完全ヒト化二重特異性抗体F(ab’)2分子の産生を記載している。各々のFab’フラグメントを、大腸菌から別々に分泌させ、体外で指向性化学結合に供して、二重特異性抗体を形成した。そのようにして形成された二重特異性抗体は、HER2受容体を過剰発現する細胞および正常ヒトT細胞に結合することができ、ならびにヒト乳癌標的に対するヒト細胞傷害性リンパ球の溶解活性を誘起することができた。] [0114] 組換え細胞培養物から直接二重特異性または多重特異性抗体フラグメントを作製し、単離するための種々の技法も記載されている。例えば、GCN4等のロイシンジッパーを用いて二重特異性抗体が産生されている(一般に、Kostelny et al.,J.Immunol.148(5):1547−1553,1992を参照のこと)。FosおよびJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを、遺伝子融合によって2つの異なる抗体のFab’部分に連結した。抗体ホモ二量体を、ヒンジ領域で還元して単量体を形成し、その後、再酸化して抗体へテロ二量体を形成した。この方法はまた、抗体ホモ二量体の産生のためにも利用することができる。] [0115] 上記のダイアボディは、二重特異性抗体の一例である。例えば、Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993)を参照のこと。二価ダイアボディは、ジスルフィド連結によって安定化され得る。] [0116] 安定な単一特異性または二重特異性Fv四量体はまた、(scFv2)2配置で、またはビス−テトラボディとして、非共有結合性会合によって生成され得る。代替として、2つの異なるscFvを、縦列に接合して、ビス−scFvを形成することができる。] [0117] 単鎖Fv(sFv)二量体の使用によって二重特異性抗体フラグメントを作製するための別の戦略も報告されている。Gruber et al.,J.Immunol.152:5368(1994)を参照のこと。1つのアプローチは、リンカーまたはジスルフィド結合で2つのscFv抗体を連結させている(Mallender and Voss,J.Biol.Chem.269:199−2061994、WO94/13806および米国特許第5,989,830号、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。] [0118] 代替として、二重特異性抗体は、Zapata et al.Protein Eng.8(10):1057−1062(1995)に記載されるように生成される、「線状抗体」であり得る。簡潔に述べると、これらの抗体は、一対の抗原結合領域を形成する一対のタンデムFdセグメント(VH−CH1−VH−CH1)を含む。線状抗体は、二重特異性または単一特異性であり得る。] [0119] 2つ以上の価数を有する抗体はまた、企図される。例えば、三重特異性抗体を調製することができる(Tutt et al.,J.Immunol.147:60(1991))。] [0120] 「キレート組換え抗体」は、標的抗原の近接および非重複エピトープを認識する二重特異性抗体であり、両方のエピトープに同時に結合するのに十分なだけ柔軟である(Neri et al.,J Mol Biol.246:367−73,1995)。] [0121] 二重特異性Fab−scFv(「バイボディ」)および三重特異性Fab−(scFv)(2)(「トリボディ」)の産生は、Schoonjansら(J Immunol.,165:7050−57,2000)およびWillemsら(J.Chromatogr.B.Analyt.Technol.Biomed.Life Sci.,786:161−76,2003)に記載されている。バイボディまたはトリボディに関しては、scFv分子をVL−CL(L)およびVH−CH1(Fd)鎖の片方または両方に融合するが、例えば、バイボディにおいては、1つのscFvをFabのC末端に融合する一方、トリボディを産生するためには、2つのscFvをFabのC末端に融合する。] [0122] さらに別の方法において、二量体、三量体、および四量体は、遊離システインが、親タンパク質に導入された後、産生される。様々な数(2〜4)のマレイミド基を有するペプチド系架橋を使用して、該当するタンパク質を遊離システインに架橋させた(Cochran et al.,Immunity 12(3):241−50(2000)、これらの開示は、その全体が本明細書に組み込まれる)。] [0123] II.特異的結合剤 他のフェロポーチン特異的結合剤は、例えば、抗体からのCDRに基づいて、またはヒトフェロポーチンについて所望の結合特性を示すペプチドもしくは化合物のために、種々のペプチドもしくは有機化学化合物のライブラリーをスクリーニングすることによって、調製することができる。フェロポーチン特異的結合剤には、ヒト抗体31A5(配列番号5〜10)、ヒト抗体37A2(配列番号29〜34)、ヒト抗体37B9(配列番号39〜44)、ヒト抗体37C8(配列番号49〜54)、ヒト抗体37G8(配列番号59〜64)、ヒト抗体38A4(配列番号69〜74)、ヒト抗体38C8(配列番号79〜84)、ヒト抗体38D2(配列番号89〜94)、ヒト抗体38E3(配列番号99〜104)、またはヒト抗体38G6(配列番号109〜114)のうちの1つ以上のCDRに、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上同一である、ペプチド含有アミノ酸配列が含まれる。] [0124] また、フェロポーチン特異性結合剤には、ペプチボディも含まれる。「ペプチボディ(peptibody)」という用語は、少なくとも1つのペプチドに付着された抗体Fcドメインを含む分子を指す。ペプチボディの産生は、2000年5月4日に公開されたPCT公開WO00/24782に概説されている。これらのペプチドのいずれも、リンカーによるか、またはリンカーによらずに、縦列に(即ち、連続的に)連結され得る。システイニル残基を含有するペプチドは、別のCys含有ペプチドと架橋され得、これらのいずれか、またはその両方は、ビヒクルに連結され得る。1つ以上のCys残基を有するいかなるペプチドも、ペプチド内ジスルフィド結合も形成し得る。これらのペプチドのいずれも、誘導体化され得る、例えば、カルボキシル末端は、アミノ基でキャップされ得るか、システインは、アミノ酸残基以外の部分によって、キャップされ得るか、またはアミノ酸残基は、アミノ酸残基以外の部分によって、置換され得る(例えば、Bhatnagar et al.,J.Med.Chem.39:3814−9(1996)、およびCuthbertson et al.,J.Med.Chem.40:2876−82(1997)を参照されたく、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。抗体のための親和性成熟に類似する手法でペプチド配列を、最適化し得る、またはそうでなければ、アラニンスキャニング(alanine scanning)もしくはランダムもしくは定方向突然変異誘発によって変更し、次いで、最良の結合剤を特定するためにスクリーニングすることができる(Lowman,Ann.Rev.Biophys.Biomol.Struct.,26:401−24,1997)。種々の分子は、特異的結合剤の所望の活性を保持しながら、特異的結合剤構造、例えば、それ自体のペプチド部分内、または特異的結合剤のペプチドとビヒクル部分の間に挿入され得る。例えば、Fcドメインもしくはそのフラグメント等の分子、ポリエチレングリコール、またはデキストラン、脂肪酸、脂質、コレステロール基、小炭水化物、ペプチド、本明細書に記載されるような検出可能な部分(蛍光剤、放射性同位体等の放射標識を含む)、オリゴ糖、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、干渉(もしくは他の)RNA、酵素、ホルモン、もしくは相当物等の他の関連した分子を容易に挿入することができる。このような方法において挿入のために好適な他の分子は、当業者により理解され、本発明の範囲内に包含される。これには、例えば、2つの連続したアミノ酸の間にある、任意に、好適なリンカーによって接合される、所望の分子の挿入が含まれる。] [0125] フェロポーチンペプチボディの開発も企図される。タンパク質リガンドのその受容体との相互作用は、しばしば、相対的に大きな界面において起こる。しかしながら、ヒト成長ホルモンとその受容体で示されるように、界面におけるほんの少数の重要な残基が結合エネルギーの大部分に寄与している。(Clackson et al.,Science,267:383−6,1995)。タンパク質リガンドの大半は、単に正しいトポロジーで結合エピトープを提示するか、もしくは結合には関係しない機能として働く。したがって、「ペプチド」の長さ(一般に、2〜40個のアミノ酸)の分子だけが所与の大きなタンパク質リガンドの受容体タンパク質に結合することができる。かかるペプチドは、大タンパク質リガンドの生物活性を擬似するか(「ペプチド作動薬」)、または競合的結合を通して、大タンパク質リガンドの生物活性を阻害することができる(「ペプチド拮抗薬」)。] [0126] ファージディスプレイ技術は、そのようなペプチド作動薬と拮抗薬を同定する強力な方法として出現している。例えば、Scott et al.Science 249:386(1990)、Devlin et al.,Science 249:404(1990)、1993年6月29日に発行された米国特許第5,223,409号、1998年3月31日に発行された米国特許第5,733,731号、1996年3月12日に発行された米国特許第5,498,530号、1995年7月11日に発行された米国特許第5,432,018号、1994年8月16日に発行された米国特許第5,338,665号、1999年7月13日に発行された米国特許第5,922,545号、1996年12月19日に公開されたWO96/40987、および1998年4月16日に公開されたWO98/15833を参照のこと(これらのそれぞれは、参照によりその全体が組み込まれる)。ペプチドファージディスプレイライブラリーにおいて、ランダムペプチド配列は、糸状ファージのコートタンパク質との融合によって提示され得る。提示されたペプチドを、必要に応じて、受容体の抗体固定化された細胞外ドメインに対して親和性溶出することができる。残留したファージは、親和性精製および再増殖を連続的に繰り返すことによって富化され得る。最良の結合ペプチドを配列決定して、ペプチドの1つ以上の構造的に関連するファミリー内の重要な残基を同定することができる。例えば、Cwirla et al.,Science 276:1696−9(1997)を参照のこと。、ここでは、2つの異なるファミリーが同定された。ペプチド配列はまた、どの残基がアラニンスキャニングによって、またはDNAレベルでの変異誘発によって安全に置換できるかを示唆し得る。突然変異誘発ライブラリーを創造し、スクリーニングして、最良の結合剤の配列をさらに最適化してもよい。(Lowman,Ann.Rev.Biophys.Biomol.Struct.,26:401−24,1997)。] [0127] タンパク質−タンパク質相互作用の構造分析も、大タンパク質リガンドの結合活性を擬似するペプチドを示唆するために使用し得る。このような分析において、結晶構造は、ペプチドが設計され得る大タンパク質リガンドの決定的残基が何であるかの確認と相対的方向性を示唆し得る。例えば、Takasaki et al.,Nature Biotech 15:1266−70(1997)を参照のこと。これらの分析法は、結合親和性を高めるためのペプチドのさらなる修飾を示唆し得る、受容体タンパク質とファージディスプレイによって選択されたペプチド間の相互作用を検討するためにも使用してもよい。] [0128] 他の方法は、ペプチド研究においてファージディスプレイと競合する。ペプチドライブラリーを、lacリプレッサーのカルボキシル末端に融合し、大腸菌において発現することができる。別の大腸菌に基づく方法は、ペプチドグリカン結合リポタンパク質(PAL)との融合により細胞の外膜に発現させる。本文中以下では、これらおよび関連する方法を、集合的に「大腸菌ディスプレイ」と称する。別の方法において、ランダムRNAの翻訳をリボソーム放出の前に停止させ、それらの関連RNAがまだ付着しているポリペプチドのライブラリーを生じさせる。本文中以下では、これおよび関連する方法を、集合的に「リボソームディスプレイ」と称する。他の方法は、RNAへのペプチドの化学結合を採用する。例えば、Roberts and Szostak,Proc Natl Acad Sci USA,94:12297−303(1997)を参照のこと。本文中以下では、これおよび関連する方法を、集合的に「RNA−ぺプチドスクリーニング」と称する。ペプチドがポリエチレンロッドまたは溶媒透過性樹脂のような安定な非生物学的物質上に固定されている、化学的に誘導されたペプチドライブラリーが開発されている。別の化学的に誘導されたペプチドライブラリーは、写真平板印刷を用いてガラススライド上に固定されたペプチドを走査する。本文中以下では、これらおよび関連する方法を、集合的に「化学物質−ぺプチドスクリーニング」と称する。化学物質−ぺプチドスクリーニングは、Dアミノ酸および他の非天然類似体、ならびに非ペプチド要素を使用できるという点で有利であると考えられる。生物学的方法と化学的方法の両方が、Wells and Lowman,Curr.Opin.Biotechnol.,3:355−62(1992)の中で考察されている。]
权利要求:
請求項1 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合し、ならびにフェロポーチン活性を持続する単離された抗体。 請求項2 ヘプシジンの存在下でフェロポーチン活性を持続する、請求項1の抗体。 請求項3 フェリチンアッセイによって測定して、約10−6M以下のEC50でフェリチン発現レベルを低下させる、請求項1の抗体。 請求項4 約1×10−6M以下のEC50で、対象における細胞内鉄濃度を低下させる、請求項1の抗体。 請求項5 対象における血中鉄レベルまたはTsatを増加させる、請求項1の抗体。 請求項6 対象における、少なくともヘモグロビンもしくはヘマトクリットのうちの1つ、または双方のレベルを増加させる、請求項1の抗体。 請求項7 対象における、少なくとも赤血球数、赤血球数の赤血球ヘモグロビン含有量、もしくは赤血球数の赤血球平均細胞体積のうちの1つ、またはそれらの任意の組み合わせを増加させる、請求項1の抗体。 請求項8 対象における、少なくとも網状赤血球数、網状赤血球数の網状赤血球ヘモグロビン含有量、もしくは網状赤血球数の網状赤血球平均細胞体積のうちの1つ、またはそれらの任意の組み合わせを増加させる、請求項1の抗体。 請求項9 フェロポーチンの内部移行を阻害する、請求項1の抗体。 請求項10 フェロポーチンの分解を阻害する、請求項1の抗体。 請求項11 フェロポーチンのヘプシジン媒介の内部移行または分解を阻害する、請求項9または10の抗体。 請求項12 フェロポーチンの細胞外ドメインは、配列番号16のアミノ酸46〜60、116〜126、204〜205、325〜342、394〜449、513〜517、35〜57、116〜124、332〜340、393〜449および515〜518、ならびに少なくとも4アミノ酸長さのそのフラグメントからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1から11のいずれかの抗体。 請求項13 モノクローナル抗体である、請求項1から12のいずれかの抗体。 請求項14 配列番号5〜10、配列番号29〜34、配列番号39〜44、配列番号49〜54、配列番号59〜64、配列番号69〜74、配列番号79〜84、配列番号89〜94、配列番号99〜104、および配列番号109〜114からなる群から選択される、少なくとも1つのアミノ酸配列を含む、請求項13の単離された抗体。 請求項15 10−6M以下のKdで、フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する、単離されたモノクローナル抗体。 請求項16 ヒトフェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合し、かつ細胞鉄保持を阻害する、単離されたモノクローナル抗体。 請求項17 ヒトフェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合し、かつフェロポーチンの内部移行および/または分解を低下させる、単離されたモノクローナル抗体。 請求項18 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号2または4と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、配列番号5〜10からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含み、ならびにいずれのCDRも、配列番号5〜10のいずれかに対して少なくとも1つのアミノ酸変化を含む、抗体。 請求項19 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号26または28と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、配列番号29〜34からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含み、ならびにいずれのCDRも、配列番号29〜34のいずれかに対して少なくとも1つのアミノ酸変化を含む、抗体。 請求項20 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号36または38と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、配列番号39〜44からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含み、ならびにいずれのCDRも、配列番号39〜44のいずれかに対して少なくとも1つのアミノ酸変化を含む、抗体。 請求項21 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号46または48と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、配列番号49〜54からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含み、ならびにいずれのCDRも、配列番号49〜54のいずれかに対して少なくとも1つのアミノ酸変化を含む、抗体。 請求項22 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号56または58と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、配列番号59〜64からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含み、ならびにいずれのCDRも、配列番号59〜64のいずれかに対して少なくとも1つのアミノ酸変化を含む、抗体。 請求項23 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号66または68と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、配列番号69〜74からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含み、ならびにいずれのCDRも、配列番号69〜74のいずれかに対して少なくとも1つのアミノ酸変化を含む、抗体。 請求項24 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号76または78と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、配列番号79〜84からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含み、ならびにいずれのCDRも、配列番号79〜84のいずれかに対して少なくとも1つのアミノ酸変化を含む、抗体。 請求項25 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号86または88と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、配列番号89〜94からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含み、ならびにいずれのCDRも、配列番号89〜94のいずれかに対して少なくとも1つのアミノ酸変化を含む、抗体。 請求項26 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号96または98と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、配列番号99〜104からなる群から選択される少なくともCDRを含み、ならびにいずれのCDRも、配列番号99〜104のいずれかに対して少なくとも1つのアミノ酸変化を含む、抗体。 請求項27 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号106または108と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、配列番号109〜114からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含み、ならびにいずれのCDRも、配列番号109〜114のいずれかに対して少なくとも1つのアミノ酸変化を含む、抗体。 請求項28 重鎖および軽鎖を含む単離されたモノクローナル抗体であって、前記重鎖は、配列番号14のアミノ酸18〜466を含み、ならびに前記軽鎖は、配列番号12のアミノ酸21〜239を含む、抗体。 請求項29 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号2、配列番号26、配列番号36、配列番号46、配列番号56、配列番号66、配列番号76、配列番号86、配列番号96および配列番号106からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、抗体。 請求項30 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号4、配列番号28、配列番号38、配列番号48、配列番号58、配列番号68、配列番号78、配列番号88、配列番号98および配列番号108からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、抗体。 請求項31 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号2、配列番号26、配列番号36、配列番号46、配列番号56、配列番号66、配列番号76、配列番号86、配列番号96および配列番号106からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、抗体。 請求項32 フェロポーチン(配列番号16)の細胞外ドメインに結合する単離された抗体であって、前記抗体は、配列番号4、配列番号28、配列番号38、配列番号48、配列番号58、配列番号68、配列番号78、配列番号88、配列番号98および配列番号108からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、抗体。 請求項33 配列番号16のアミノ酸393〜449内に位置する少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つもしくはそれ以上のアミノ酸を含む前記ヒトフェロポーチンのフラグメントに結合するか、または、または前記フラグメントの1つ以上のアミノ酸を含むヒトフェロポーチンのエピトープに結合する、請求項1から32のうちの一項の単離された抗体。 請求項34 配列番号16のアミノ酸393〜449内に位置する少なくとも10もしくはそれ以上のアミノ酸を含む前記ヒトフェロポーチンのフラグメントに結合するか、または前記フラグメント内の、もしくは前記フラグメントのエピトープに結合する、請求項33の単離された抗体。 請求項35 配列番号16のアミノ酸439〜449内に位置する少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つもしくはそれ以上のアミノ酸を含む前記ヒトフェロポーチンのフラグメントに結合するか、または前記フラグメントの1つ以上のアミノ酸を含むヒトフェロポーチンのエピトープに結合する、請求項34の単離された抗体。 請求項36 アミノ酸ANIVPETSPES(配列番号16のアミノ酸439〜449)からなる前記ヒトフェロポーチンのフラグメントに結合するか、または前記フラグメントの1つ以上のアミノ酸を含むヒトフェロポーチンのエピトープに結合する、請求項1から32のうちのいずれか一項の単離された抗体。 請求項37 請求項1から32のうちのいずれか一項の単離された抗体であって、前記抗体は、アミノ酸IVPETSPESV(配列番号16のアミノ酸441〜450)、アミノ酸NIVPETSPES(配列番号16のアミノ酸440〜449)、アミノ酸VPETSPSV(配列番号16のアミノ酸442〜451)、アミノ酸PETSPESVPI(配列番号16のアミノ酸443〜452)、アミノ酸TSPESVPIIS(配列番号16のアミノ酸445〜454)、アミノ酸ANIVPETSP(配列番号16のアミノ酸439〜447)、アミノ酸IVPETSPES(配列番号16のアミノ酸441〜449)、アミノ酸ANIVPETS(配列番号16のアミノ酸439〜446)、アミノ酸IVPETSPE(配列番号16のアミノ酸441〜448)、アミノ酸IVPETSP(配列番号16のアミノ酸441〜447)、およびアミノ酸PETSPES(配列番号16のアミノ酸443〜449)からなる群から選択される前記ヒトフェロポーチンのフラグメントに結合するか、または前記フラグメントの1つ以上のアミノ酸を含むヒトフェロポーチンのエピトープに結合する、抗体。 請求項38 請求項1から32のうちのいずれか一項の単離された抗体であって、前記抗体は、アミノ酸LVELYGNSLL(配列番号16のアミノ酸50〜69)、アミノ酸FLVELYGNSL(配列番号16のアミノ酸49〜68)、アミノ酸VELYGNSLLL(配列番号16のアミノ酸51〜70)、アミノ酸ELYGNSLLLT(配列番号16アミノ酸52〜71)、アミノ酸LYGNSLLLTA(配列番号16のアミノ酸53〜72)、アミノ酸LAFLYMTVLG(配列番号16のアミノ酸314〜323)、アミノ酸AFLYMTVLGF(配列番号16のアミノ酸315〜324)、アミノ酸FLYMTVLGFD(配列番号16のアミノ酸316〜325)、アミノ酸IQGESITPTKIPEIT(配列番号16のアミノ酸413〜427)、アミノ酸IQGESITPTK(配列番号16のアミノ酸413〜422)、アミノ酸QGESITPTKI(配列番号16のアミノ酸414〜423)、アミノ酸GESITPTKIP(配列番号16のアミノ酸415〜424)、アミノ酸ESITPTKIPE(配列番号16のアミノ酸416〜425)、アミノ酸SITPTKIPEI(配列番号16のアミノ酸417〜426)、アミノ酸ITPTKIPEIT(配列番号16のアミノ酸418〜427)、アミノ酸DGWVSYYNQP(配列番号16のアミノ酸297〜306)、アミノ酸ITTEIYMSNGSNS(配列番号16のアミノ酸426〜438)、アミノ酸TEIYMSNGSNSA(配列番号16のアミノ酸428〜439)、アミノ酸ITTEIYMSNG(配列番号16のアミノ酸426〜435)、アミノ酸TTEIYMSNGS(配列番号16のアミノ酸427〜436)、アミノ酸TEIYMSNGSN(配列番号16のアミノ酸428〜437)、アミノ酸EIYMSNGSNS(配列番号16のアミノ酸429〜438)、アミノ酸IYMSNGSNSA(配列番号16のアミノ酸430〜439)、アミノ酸YHGWVLTSCY(配列番号16のアミノ酸124〜133)、アミノ酸RDGWVSYYNQ(配列番号16のアミノ酸296〜305)、アミノ酸EIYMSNG(配列番号16のアミノ酸429〜435)、アミノ酸IYMSNGSN(配列番号16のアミノ酸430〜437)、アミノ酸ITPTK(配列番号16のアミノ酸418〜422)、アミノ酸SITPTKIPEI(配列番号16のアミノ酸417〜426)およびアミノ酸EIYMSNGSNS(配列番号16のアミノ酸429〜438)からなる群から選択される前記ヒトフェロポーチンのフラグメントに結合するか、または前記フラグメントの1つ以上のアミノ酸を含むヒトフェロポーチンのエピトープに結合する、抗体。 請求項39 キメラ化、ヒト化、または完全なヒト抗体である、請求項1から38のうちのいずれか一項の単離された抗体。 請求項40 キメラ化抗体である、請求項39の単離された抗体。 請求項41 ヒト化抗体である、請求項39の単離された抗体。 請求項42 単鎖Fv抗体フラグメントである、請求項1から38のうちのいずれか一項の単離されたモノクローナル抗体。 請求項43 Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fd、ドメイン抗体(dAb)、ダイアボディ(diabody)、マキシボディ(maxibody)またはナノボディ(nanobody)である、請求項1から38のうちのいずれか一項の単離されたモノクローナル抗体。 請求項44 完全なヒト抗体である、請求項39の単離されたモノクローナル抗体。 請求項45 ヒトコンセンサス抗体配列、ヒト生殖細胞系抗体配列、またはヒト生殖細胞系コンセンサス抗体配列である、フレームワークアミノ酸配列を含む、請求項1から38のうちのいずれか一項の単離されたモノクローナル抗体。 請求項46 IgA、IgG、IgE、IgDまたはIgMアイソタイプのものである、請求項1から38のうちのいずれか一項の単離されたモノクローナル抗体。 請求項47 IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプのものである、請求項1から38のうちのいずれか一項の単離されたモノクローナル抗体。 請求項48 IgG抗体である、請求項1から38のうちのいずれか一項の単離されたモノクローナル抗体。 請求項49 2本の重鎖および2本の軽鎖を含む、請求項48の単離されたモノクローナル抗体。 請求項50 請求項1から38のうちのいずれか一項の抗体をコードする核酸。 請求項51 請求項50の核酸を含むベクター。 請求項52 請求項51のベクターまたは請求項50の核酸を含む宿主細胞。 請求項53 請求項1から38のうちのいずれか一項の抗体を産生する方法であって、(a)哺乳動物に、フェロポーチン(配列番号16)をコードする核酸を投与するステップ、任意に(b)前記哺乳動物に、フェロポーチン(配列番号16)をコードする同一または異なる核酸を投与するステップ、任意に(c)前記哺乳動物に、フェロポーチンを発現する細胞膜を含む組成物を投与するステップ、および(d)前記哺乳動物から、抗体を発現する細胞を獲得するステップを含む、方法。 請求項54 核酸を発現させて、抗体を産生するように、請求項F13の宿主細胞を培養するステップを含む、請求項1から38のうちのいずれか一項の抗体を産生する方法。 請求項55 宿主細胞培養物から抗体を回収するステップをさらに含む、請求項54の方法。 請求項56 請求項1から38のうちのいずれか一項の抗体、および薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤を含む医薬組成物。 請求項57 試料において、フェロポーチンの存在を検出するための方法であって、請求項1から38のうちのいずれか一項のモノクローナル抗体のうちの少なくとも1つとともに、フェロポーチンに前記モノクローナル抗体を結合させることが可能な条件下で、前記試料を温置するステップ、および前記結合モノクローナル抗体または前記結合フェロポーチンを検出するステップを含む、方法。 請求項58 モノクローナル抗体は、抗体31A5と同一のエピトープに結合する、または、フェロポーチンへの結合に対して、約75%、抗体31A5と競合する、請求項57の方法。 請求項59 モノクローナル抗体は、抗体37A2と同一のエピトープに結合する、または、フェロポーチンへの結合に対して、約75%、抗体37A2と競合する、請求項57の方法。 請求項60 モノクローナル抗体は、抗体37B9と同一のエピトープに結合する、または、フェロポーチンへの結合に対して、約75%、抗体37B9と競合する、請求項57の方法。 請求項61 モノクローナル抗体は、抗体37C8と同一のエピトープに結合する、または、フェロポーチンへの結合に対して、約75%、抗体37C8と競合する、請求項57の方法。 請求項62 モノクローナル抗体は、抗体37G8と同一のエピトープに結合する、または、フェロポーチンへの結合に対して、約75%、抗体37G8と競合する、請求項57の方法。 請求項63 モノクローナル抗体は、抗体38A4と同一のエピトープに結合する、または、フェロポーチンへの結合に対して、約75%、抗体38A4と競合する、請求項57の方法。 請求項64 モノクローナル抗体は、抗体38C8と同一のエピトープに結合する、または、フェロポーチンへの結合に対して、約75%、抗体38C8と競合する、請求項57の方法。 請求項65 モノクローナル抗体は、抗体38D2と同一のエピトープに結合する、または、フェロポーチンへの結合に対して、約75%、抗体38D2と競合する、請求項57の方法。 請求項66 モノクローナル抗体は、抗体38E3と同一のエピトープに結合する、または、フェロポーチンへの結合に対して、約75%、抗体38E3と競合する、請求項57の方法。 請求項67 モノクローナル抗体は、抗体38G6と同一のエピトープに結合する、または、フェロポーチンへの結合に対して、約75%、抗体38G6と競合する、請求項57の方法。 請求項68 フェロポーチンに結合するポリクローナル抗体とともに、試料を温置するステップをさらに含む、請求項57の方法。 請求項69 モノクローナル抗体は、固体支持体上に固定化される、請求項68の方法。 請求項70 ポリクローナル抗体は、標識化される、請求項68の方法。 請求項71 ポリクローナル抗体は、固体支持体上に固定化される、請求項68の方法。 請求項72 モノクローナル抗体は、標識化される、請求項69の方法。 請求項73 抗体は、固体支持体上に固定化され、ならびに請求項1から36のうちのいずれか一項の第2の抗体と、フェロポーチンを接触させるステップをさらに含む、請求項57の方法。 請求項74 生体試料は、ヒトから単離される、請求項57の方法。 請求項75 生体試料は、組織、および血球からなる群から選択される、請求項74の方法。 請求項76 第2の抗体は、固体支持体上に固定化される抗体によって認識されるものとは異なるエピトープを認識する、請求項73の方法。 請求項77 第2の抗体は、標識化される、請求項73の方法。 請求項78 抗体とともに、既知量の精製されたフェロポーチン標準物質を温置するステップを含む、請求項73の方法。 請求項79 鉄ホメオスタシスの障害に罹患する対象を治療する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項1から38のうちのいずれか一項の抗体を投与するステップを含む、方法。 請求項80 鉄ホメオスタシスの障害は、貧血、敗血症、炎症性貧血、癌性貧血、化学療法誘導貧血、慢性炎症性貧血、うっ血性心不全、末期腎疾患、慢性腎臓病(ステージI、II、III、IVまたはV)、鉄欠乏性貧血、フェロポーチン病、ヘモクロマトーシス、糖尿病、炎症、関節リウマチ、動脈硬化症、腫瘍、血管炎、全身性エリテマトーデス、異常血色素症、および赤血球障害からなる群から選択される、請求項79の方法。 請求項81 前記対象に、赤血球生成刺激剤を投与するステップをさらに含む、請求項79の方法。 請求項82 赤血球生成刺激剤は、エリスロポエチン、エリスロポエチンの変異体およびエリスロポエチンに結合する抗体からなる群から選択される、請求項81の方法。 請求項83 治療を必要とする対象に対して治療レジメンを選択する方法であって、(a)血中鉄レベルの減少に対して対象をスクリーニングするステップ、(b)前記対象に、請求項1から36のいずれかの抗体を処方するステップを含む、方法。 請求項84 スクリーニングには、生体試料を獲得するステップおよび前記試料において、鉄濃度を決定するステップを含む、請求項83の方法。 請求項85 前記対象に、赤血球生成刺激剤を処方するステップをさらに含む、請求項83の方法。 請求項86 前記対象に、鉄を処方するステップをさらに含む、請求項83の方法。 請求項87 鉄ホメオスタシスの障害の治療のための併用療法であって、治療を必要とする対象に、請求項1から38のうちのいずれか一項の抗体および赤血球生成刺激剤を治療有効量で投与するステップを含む、併用療法。 請求項88 抗体および赤血球生成刺激剤は、1つの組成物に製剤化される、請求項87の併用療法。 請求項89 抗体および赤血球生成刺激剤は、別個の組成物に製剤化される、請求項87の併用療法。 請求項90 鉄ホメオスタシスの障害の治療のための併用療法であって、それを必要とする対象に、請求項1から38のうちのいずれか一項の抗体および抗ヘプシジン抗体を治療有効量で投与するステップを含む、併用療法。 請求項91 抗体および抗ヘプシジン抗体は、1つの組成物に製剤化される、請求項90の併用療法。 請求項92 抗体および抗ヘプシジン抗体は、別個の組成物に製剤化される、請求項90の併用療法。 請求項93 エリスロポエチン刺激剤による療法に対して低応答性である対象を治療する方法であって、前記対象に、請求項1から38のうちのいずれか一項の抗体を投与するステップを含む、方法。 請求項94 前記対象に、赤血球生成刺激剤を投与するステップをさらに含む、請求項93の方法。 請求項95 対象は、貧血、敗血症、炎症性貧血、癌性貧血、化学療法誘導貧血、慢性炎症性貧血、うっ血性心不全、末期腎疾患、慢性腎臓病(ステージI、II、III、IVまたはV)、鉄欠乏性貧血、フェロポーチン病、ヘモクロマトーシス、糖尿病、炎症、関節リウマチ、動脈硬化症、腫瘍、血管炎、全身性エリテマトーデス、異常血色素症、赤血球障害および腎不全からなる群から選択される病態に罹患している、請求項93の方法。 請求項96 対象は、貧血に罹患している、請求項93の方法。 請求項97 対象は、ヒトである、請求項93の方法。 請求項98 赤血球生成刺激剤は、配列番号21のヒトエリスロポエチンである、請求項94の方法。 請求項99 赤血球生成刺激剤は、配列番号22のダルベポエチンアルファである、請求項94の方法。 請求項100 対象を静脈切開するステップをさらに含む、請求項94の方法。 請求項101 鉄過剰の治療のための併用療法であって、治療を必要とする対象に、請求項1から38のうちのいずれか一項の抗体および鉄キレート剤を治療有効量で投与するステップを含む、併用療法。
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